お別れの詩?
場所は意外な程きれいな会場だった。集まっている人たちが喪服を着ていなければクラシックコンサートに来ているとさえ思えるほどに。ステージのような場所に山ほどの白い花が飾られ、大きな祭壇の中心には優しい微笑みをたずさえた老人の顔があった。
席に着くと隣に従兄弟の和馬が座ってきた。
「なぁ、あそこにいる、真喜江ばぁさんのこと、知ってる?」
「知ってるって、何が?」「じぃさんが死ぬ前、離婚寸前だったって話だぜ」
前の祭壇を見ながら話してた私は思わず和馬のほうを見た。
「それ、本当?」
「ああ、そりゃあもう大騒ぎだったらしい。じぃさんに愛人がいるとかなんとか」
「ぇえ?」
ますます耳を疑った。おじいちゃんに愛人?
「だからさ、まわりの奴らじぃさんがこんなことになったのは真喜江ばぁさんの仕業じゃないか、って言ってるわけよ」
私は思わず祭壇のすぐ傍の席に静かに座っている真喜江おばあちゃんを見た。
「馬鹿言わないでよ。おじいちゃんは肺炎で亡くなったのよ。そんなわけないじゃない」
「まぁ、噂だよ」
気楽そうに背伸びをする和馬を尻目に私はまわりにいる出席者を見回した。
席に着くと隣に従兄弟の和馬が座ってきた。
「なぁ、あそこにいる、真喜江ばぁさんのこと、知ってる?」
「知ってるって、何が?」「じぃさんが死ぬ前、離婚寸前だったって話だぜ」
前の祭壇を見ながら話してた私は思わず和馬のほうを見た。
「それ、本当?」
「ああ、そりゃあもう大騒ぎだったらしい。じぃさんに愛人がいるとかなんとか」
「ぇえ?」
ますます耳を疑った。おじいちゃんに愛人?
「だからさ、まわりの奴らじぃさんがこんなことになったのは真喜江ばぁさんの仕業じゃないか、って言ってるわけよ」
私は思わず祭壇のすぐ傍の席に静かに座っている真喜江おばあちゃんを見た。
「馬鹿言わないでよ。おじいちゃんは肺炎で亡くなったのよ。そんなわけないじゃない」
「まぁ、噂だよ」
気楽そうに背伸びをする和馬を尻目に私はまわりにいる出席者を見回した。
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