時と空の唄6-1
「一体イツキは何故サントラーセットに来たんでしょうか。」
サントラーセットを囲む高い黄土色の壁が見えてきた時だった。
「なんだよ、突然。」
「いえ…ただ、カロウドと言う名前が気になって。」カロウドとはマーガックで雪の叔父がイツキを使って雪を裏切った時に出た名だった。
「三種の神器である盾を欲しがるカロウドという謎の男…か。」
「まぁ、何にしたって今はまだ何にも分かんないんだし、そんなに深刻な話でもないだろ。」
「そう…ですね。」
機械都市サントラーセットからは昼夜問わず常に工場から煙がもくもくと出ている。
都市をぐるりと囲む壁を通るとそこには見たこともない機械がそこら中にあった。
「凄い…これが城下の次に栄えている街…?」
雪はただ感動している。
その時だった。
目の前に数人の黒スーツの男が立ちはだかった。
「おいおい、折角の景色を邪魔してくれるなよ。」
そんな軽口をたたきながらゆっくりとランスォールは腰の剣に手をかけた。
「抵抗するな。抵抗すれば容赦なく殺す。」
「ここにはお前たちの仲間はない。」
男の低い2つの声が四人に逃げ場がないことを物語る。
「…狙いは何?」
剣と宝玉だろう。
男の太い指がシーラを指した。
そして予想していなかった言葉が返される。
「お前だ。シーラ・アレフォール。」
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