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暗闇の女24

[624]  あぶら翔  2008-09-22投稿


「こ…この野郎!、よ…よくも母さんを…母さんをっ!」


僕は感情を抑える事が出来なくなって大声で叫んだ!


「こ…この…イカれ女め!お…お前だけは、絶対に俺が ぶっ殺してやるっ!」

僕は無我夢中で包丁を振りかざした。




「…めて!」


『女』が何かを言ったが興奮で聞き取れない。


「や…やめて…秀君」

(…はぁ?)


僕は自分の耳を疑った。

何の罪も無い母や黒田さんに、残虐極まりない事をした殺人鬼が 僕の名前を呼んだ?!



「お…お前は…黒木志津江なんだろっ?」


僕は震える声を振り絞って女に聞いた。


「そ…そうよ…。」


女は小さく酷く疲れた声で答えた。


「や…やっぱり そうかよ!テメェだけは絶対に許さねぇんだよ!イカれ女っ!」

また冷静さを失った僕は側にあったスポーツバッグを女に投げつけた。


「ひぃぃっ!」

女は両手で顔を庇い一瞬たじろいて体をすくめたが、すぐさま顔をこっちに向けて、目を見開いて絶叫した。



「い…イカれてるのは、あんたよっ!――――――――――!!」

女が そう叫びながら こっちを指差した瞬間、僕の肩に物凄い激痛が走り、部屋中に狂った笑い声が響いたんだ。




そう…本当の『暗闇の女』の笑い声が…。








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