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Mind Adventure 33

[460]  籬 規那  2008-09-22投稿

おおぉぉぉん―――――\r






音、というよりも強風の衝撃が、妖需達の体を、魂を―――\r

激しく、揺さぶった。





轟音に耐え兼ねたように、自らをきつく抱きしめて座りこんでいるフィレーネ以上に。



愕然とした、顔があった。


いつもどんな着色剤を使っているのか不思議がられる、限りなく白に近い、萌黄色の髪がたなびいている。



陶磁器のような白い肌は、これ以上ないくらいに蒼白で。


震えていた、かもしれない。







少々足を引きずるようにしながら現れたジンは、メシアの様子を一瞥し、息を短く吐いて目をそらした。

















おおぉぉぉん―――――\r

おおぉぉぉん―――――\r


哀しき響きはいつまで続くのだろう。



否。

いつか、終わる日が来るのだろうか。


妖需は、いつの間にか"彼"に『弟』と呼ばれた存在に、自分を重ねていた。



集合体の中の、違う存在。

異端。忌むべき危険因子。



皆は、「全然違う」と言ってくれるだろう。


違う、言うのだ。





暗い発言をする"仲間"を諌めるのと同時に、励ます事で、自分を優位に立たせられる。



自分は、ずっとマシ。

自分にはこんな部分はない。

自分はこんな事ができる。




そうやって、自分に言い聞かせて。


いつから―――?

そして――――――









いつまで。

















内部に詳しい案内役がいるとはいえ、すんなりし過ぎる位にあっさりと脱出を果たした一行は、それが何故可能だったか、今になって気付いた。



研究所の外は、見知らぬ森だった。


メシアの治療あって少しは見られるようになったが、皆拘束時に気絶させられた傷が癒えきっていない。




がさり。





突如、茂みが不自然に鳴った。

尾行の気配はしていたが、そろそろか――……



妖需は風矢に手をやり、腰をおとした。

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