ひまわり? (２)
<交差>
この辺りはまだまだ畑や田んぼも残っており閑な風景が広がっている。息子の笑顔を思い浮かべ鼻歌混じりで自転車を漕ぐ。
一台の軽自動車が横を通り過ぎようとした時、落ちていた小石にハンドルを取られ車道はみ出してしまった。
一瞬の事に驚いた運転手も避けきれず接触してしまう。
自転車と共に優美の体はアスファルトに倒れた。
慌てて降りてきた若い男は横たわる体を抱き上げた。
意識は無いが息はある。血は流れていない。あちらこちらにすり傷がある位だ。
取り敢えず車に乗せた。スリッパの入ったバックも一緒に…
「すみません。今日はちょっと熱があるので休ませて下さい」
バイト先に電話を入れた。
「全く若いヤツは根性ねえなぁ」等とチクチク嫌みを言われたが自分の分を他の人に振り分けてくれるらしい。
来た道を戻る。
むさ苦しい六畳間に彼女を運んだ。まだ目を覚まさない。
すり傷を消毒し絆創膏を貼り、氷とタオルで頭を冷やした。
「どうしよう…」狼狽るしか無かった。
狭い部屋の中を頭を抱えてウロウロと歩き回る。
どの位たったのか分からない。
テーブルの角に足をぶつけた。「痛！」と声を上げた時、彼女の目がゆっくりと開いた。
「貴方は誰？」
「私…私……？」
全く別の道を歩んで来た二人の人生が、今、交わった。
この辺りはまだまだ畑や田んぼも残っており閑な風景が広がっている。息子の笑顔を思い浮かべ鼻歌混じりで自転車を漕ぐ。
一台の軽自動車が横を通り過ぎようとした時、落ちていた小石にハンドルを取られ車道はみ出してしまった。
一瞬の事に驚いた運転手も避けきれず接触してしまう。
自転車と共に優美の体はアスファルトに倒れた。
慌てて降りてきた若い男は横たわる体を抱き上げた。
意識は無いが息はある。血は流れていない。あちらこちらにすり傷がある位だ。
取り敢えず車に乗せた。スリッパの入ったバックも一緒に…
「すみません。今日はちょっと熱があるので休ませて下さい」
バイト先に電話を入れた。
「全く若いヤツは根性ねえなぁ」等とチクチク嫌みを言われたが自分の分を他の人に振り分けてくれるらしい。
来た道を戻る。
むさ苦しい六畳間に彼女を運んだ。まだ目を覚まさない。
すり傷を消毒し絆創膏を貼り、氷とタオルで頭を冷やした。
「どうしよう…」狼狽るしか無かった。
狭い部屋の中を頭を抱えてウロウロと歩き回る。
どの位たったのか分からない。
テーブルの角に足をぶつけた。「痛！」と声を上げた時、彼女の目がゆっくりと開いた。
「貴方は誰？」
「私…私……？」
全く別の道を歩んで来た二人の人生が、今、交わった。
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