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[396]  ハチ  2006-06-08投稿
『寒い...』

雨に濡れはじめてから、だいぶたった。まだ夏なのに寒くなるぐらいにびしょ濡れだった。

『もう帰ろうかなぁ...』

国分先輩を待ちたい気持は山々だけど、さすがにこの雨じゃ無理だと思った。

そんなとき...

「なんだよそれ〜!」

聞き覚えのある声が左側の曲がり角から聞こえてきた。

誰が曲がってくるのかな?と、曲がり角を見つめていると、

『国分先輩...?』

国分先輩が女の人と一本の傘をさしながら歩いてきた。
「章平の学校ここだよね〜」

「うん。そうだよ〜」

楽しそうに会話をしながらァタシの目の前を通りすぎて行った。

何回か目が逢ったけど、国分先輩はまるでァタシの事を知らないみたいに無視した。

「門の前にいた子章平のことずっと見てたけど、知り合い?」

「え?そぉ?全然知らない。」


全然知らない...?


ァタシ、国分先輩の彼女じゃなかったの?

その瞬間雨がやんだ。

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