携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 奈央と出会えたから。<231>

奈央と出会えたから。<231>

[552]  麻呂  2008-09-25投稿

* * * * * *

ピンポーン。



玄関のチャイムが鳴った。



『はやっっ!!奈央ちゃん、聖人が来たみたいよ!!チョコ、此処に隠しておくわね!!』



ミズホさんが、ラッピングされたチョコを隠してくれた。



よかった。



ちょうど、チョコを作り終えて、後片付けが済んだ所だったから。



『はぁい。』



あたしが、玄関先に出ると、



そこには、あたしの大好きなヒトが立っていた。



『“はぁい”じゃねぇよ‥‥奈央が‥‥具合悪いって‥‥ミズホが言うからっっ‥‥‥。』



聖人?!息が切れてる?!



もしかして‥‥



走って来てくれた?!



『ごめんね。もう治まったんだけど‥‥。取り敢えず上がって。』



聖人があたしの家に来たのは、今日で2回目。



初めて来たのは、クリスマスパーティーのトキだから、



約2ヶ月ぶりだった。



『聖人ぉ。奈央ちゃんを、ちゃんと守ってあげなきゃダメだからね!!』



チョコ作りを終えてから、下ろしたミズホさんの髪は、



何時もの様に、ふわふわしている。



『何?!奈央が具合悪いって‥‥どうしたのよ?!』



あたしの方を見て、聖人は不思議そうな顔をして、そう言った。



い‥言わなくちゃ‥‥‥。



今日こそは、ちゃんとあたし‥言わなくちゃ‥‥。



言わなきゃ何も伝わらない。



今――



あたし自身が戦っている“心の病気”のコト。



それは――



ずっと、ずっと、言い出せないでいる、


あたしの“心の中の闇”。



『聖人。あたしね、ずっと聖人に言えなくて、黙ってたんだけど‥‥。

あたし、心の病気で、ずっと前から薬を飲んでるの。』





『‥‥‥‥。』





聖人は無言だった。


何も言わず、黙ってあたしの顔を見つめている。

感想

感想はありません。

「 麻呂 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス