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嘘と嘘のあいだ 番外編

[607]  山本たかこ  2008-09-25投稿
報われない成果と苦しみはいつまでも続いてた。そのたびに、下唇をキュッと噛み締め、なにくそって思ってやってきた。
自分で言うのもなんだけど、自分はまだ世の中的にもエリートサラリーマンと言われる部類の側にいて、べつにそこへしがみつくわけでもなく、毎日毎日、なにくそって思ってやり続けてきただけの結果だと思ってて
その事に満足してたわけでもなかった。

9月はどこも中間決算の追い込み中で、ほかの部署の進捗なんて気にかける時間もないくらいだった。

6月から隠し仕込んでいた戦略がはまり始めた時だった。

9月の中間決算で上期の予算が見えてきた、そんな20日の時だった。その日の空は、見事な秋晴れだったような気がする
今はもう記憶にも残ってないけど

知らない番号からの着信だった。業者かも知れないと思って僕は電話に出た。

「はい、道家です」

その電話はさっきまでの、見事なまでの秋晴れを僕の目の前から奪いさり、それと同時に僕の心までも奪いさってしまったのだ。

仕事がうまくまとまるかもと一瞬、はにかんだ僕の心までも奪いさってしまったのだ。

横浜警察署前に車を止め、タバコを吸った。立て続けに2本。

それから、今からの現実を受け止めるための心の準備をした。

妻の優子が売春容疑で逮捕?貞淑で派手な事を嫌うまるで良妻賢母の固まりとしか言わんばかりのあの優子が売春容疑??
僕には、今の僕に事実を受け止めるだけの余裕がはたしてあるのだろうか。

その事より、僕は、今からまっすぐに、優子を見る事ができるだろうか。
車を降り、僕は、警察署へ向かった。

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