星の蒼さは 122 第八話 『シラユキ姫』
「あー、超疲れたんですけど!」
あおかぜオペレーター桧山美樹はぐったりとベッドに倒れこんだ。
「お疲れ様。コーヒー飲むでしょ?」
アキは炒れたてのコーヒーをベッド脇の簡易テーブルの上に置いた。
「ミルクと砂糖は?」
「はい」
「ブドウ糖が足んないわ」
そう言って美樹は角砂糖を五個も入れ、ミルクもたっぷりと流し込んだ。
「入れ過ぎじゃ…」
「いいの!」
美樹はベッドに腰掛け直すとアキの目をじっと見た。
「な、何?」
相手が同性とはいえ、まじまじと見つめられアキは戸惑った。
「ハルの奴にもコーヒーとか炒れてあげたりすんの?」
「な、何でハルが出てくるの!?」
「どうなの」
美樹はニヤニヤしながら詰め寄り、アキの答えを待っている。
「ま、まだ」
「おバカよアキは」
美樹は、さも残念という風にコーヒーを飲んだ。
「いい?男って馬鹿で単純で阿呆だけどね、笑っちゃうくらいわかりやすいのよ」
「馬鹿で阿呆って…」
「例えばコーヒーだってね。『ああ、俺は今、尽くされてる〜』って思うともうイチコロ」
「イチコロ…」
「イチコロよ」
「イチコロ」
もう一度噛み締めるように繰り返す。
なにかしら妄想してぼーっとしているアキの横顔を見て、美樹はずっと気になっていた事を聞いてみた。
「そう言えばさ、アキって形としては一応捕虜って事でいいんだよね」
「?」
「アキを疑う訳じゃないのよ。でもアキとハルって最初から知り合いっぽかったよね。幼なじみとか?」
一番自分でもよくわからない事を聞かれたというのが正直な感想だ。
初めて出会ったのは確かに二年前の大晦日。
雪降る寒い夜だった。
後に『アンハッピーニューイヤー』と呼ばれる月軍による先制攻撃の前夜。
何故か月軍の攻撃を知っていた自分は、何故かトーキョーにいた。
そして何故か吸い寄せられる様に向かったバス停で、彼と、ハルと出会い、味方の攻撃に巻き込まれ、助けだされ、その後自分のWW【ミカエル】ごと捕らえられ、今に至る。
ということを美樹に話した。
じっと話を聞いていた美樹は、ふーっと息を吐き、こう言った。
「何…めちゃめちゃロマンチック…」
「よくわからないの」
「運命、運命よ!」
「運命…か」
アイも同じ事を言っていた。運命によって自分達は繋がれていると。
あおかぜオペレーター桧山美樹はぐったりとベッドに倒れこんだ。
「お疲れ様。コーヒー飲むでしょ?」
アキは炒れたてのコーヒーをベッド脇の簡易テーブルの上に置いた。
「ミルクと砂糖は?」
「はい」
「ブドウ糖が足んないわ」
そう言って美樹は角砂糖を五個も入れ、ミルクもたっぷりと流し込んだ。
「入れ過ぎじゃ…」
「いいの!」
美樹はベッドに腰掛け直すとアキの目をじっと見た。
「な、何?」
相手が同性とはいえ、まじまじと見つめられアキは戸惑った。
「ハルの奴にもコーヒーとか炒れてあげたりすんの?」
「な、何でハルが出てくるの!?」
「どうなの」
美樹はニヤニヤしながら詰め寄り、アキの答えを待っている。
「ま、まだ」
「おバカよアキは」
美樹は、さも残念という風にコーヒーを飲んだ。
「いい?男って馬鹿で単純で阿呆だけどね、笑っちゃうくらいわかりやすいのよ」
「馬鹿で阿呆って…」
「例えばコーヒーだってね。『ああ、俺は今、尽くされてる〜』って思うともうイチコロ」
「イチコロ…」
「イチコロよ」
「イチコロ」
もう一度噛み締めるように繰り返す。
なにかしら妄想してぼーっとしているアキの横顔を見て、美樹はずっと気になっていた事を聞いてみた。
「そう言えばさ、アキって形としては一応捕虜って事でいいんだよね」
「?」
「アキを疑う訳じゃないのよ。でもアキとハルって最初から知り合いっぽかったよね。幼なじみとか?」
一番自分でもよくわからない事を聞かれたというのが正直な感想だ。
初めて出会ったのは確かに二年前の大晦日。
雪降る寒い夜だった。
後に『アンハッピーニューイヤー』と呼ばれる月軍による先制攻撃の前夜。
何故か月軍の攻撃を知っていた自分は、何故かトーキョーにいた。
そして何故か吸い寄せられる様に向かったバス停で、彼と、ハルと出会い、味方の攻撃に巻き込まれ、助けだされ、その後自分のWW【ミカエル】ごと捕らえられ、今に至る。
ということを美樹に話した。
じっと話を聞いていた美樹は、ふーっと息を吐き、こう言った。
「何…めちゃめちゃロマンチック…」
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「運命、運命よ!」
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アイも同じ事を言っていた。運命によって自分達は繋がれていると。
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