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曖昧な天気?

[313]  ---神隠し---  2006-06-09投稿
雨は本当にやまなかった。
「…ねえ花梨」
久美子はいつもとは違う顔つきで花梨をみてきた。
「なに」
「あのさ…あたし今……付き合ってるの」
「誰と?」
「和哉」
「へぇー…えっ!?」
頭の中が真っ白だ。だって和哉はクラスでもモテてそれでもって久美子は和哉と幼なじみなだけで恋愛感情はないからと言っていた。
「またぁ、冗談」
「こんなときに冗談なんか言えるほどいい人じゃないよ」
久美子は真剣な口調で言った。雨は止まないし花梨の涙も止まらなかった。
「本当ごめん」
久美子と花梨はいまだに昇降口で雨宿りをしていた。
「ううん…あたしがいけないんだよ。久美子に不利なことしてたよね」
花梨はしゃがみながら涙を流していた。
「止まないね…雨」
久美子は空を見つめた。
「きっとあたしが雨女だからだよ」
花梨は泣き止んで立ち上がった。
「よしっ!!なんか食べに行くか。散々泣いたらお腹すいちゃった」
雨は少しずつ小雨に変わってくる。
「花梨…」
「いくよ!久美子。おごってよね」
花梨は笑って小雨の中を走り出した。
「…ちょっ、花梨!」
久美子とはそれからまた仲良くなれた。
そんな出来事から1年が経ったある日のこと。久美子が休憩時間に花梨に話しかけてきた。
「花梨、今度和哉とその男友達とあたしとで遊園地行くんだけど、花梨もどう?」
花梨はもう和哉に気はなかった。
「うん、いーよ」
「本当!?」
「息抜きしたかったしさ」
花梨はOKしたが、ひとつ心配だったのは雨女の自分が一緒にいって雨が降ったらどうしようと思っていた。
「平気…だよね」

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