偽りの教室 〜プロローグ?〜
小学生の頃、あたしは何の思い出もつくらず、毎日を普通に過ごしていたように思う。
今あの頃を思いだそうとしても、傷付いたことや教室の風景くらいしか思い出せなくて、運動会で勝ったとかいう感動的なシーンとかは全く思い出せなかった。つまり、六年間を無駄にすごしたということ。あたしは毎日を適当に過ごしていただけだった。
――いや、過去形じゃおかしいかな。
今、この時も適当に過ごしているから現在進行形じゃないと。
あたしは赤く染まった町並みを見下ろしながら笑った。
――上手に笑えたかな。それとも、いつもみたいに笑ったのかな。
あたしは一瞬考えて、そして考えるのをやめた。
今となってはそんなことどうでもいいんだ。
もうすぐで、あたしはあたしじゃなくなるから。
よし。もうこんな暗いこと考えるのはやめよう。
あたしはもうあたしじゃなくてわたしになるんだ。
過去のことなんか思い出す暇もないくらいみんなに好かれている、明るくて前向きで、そして優しい女の子になる。
わたしは大きく頭を反らして深呼吸した。未来への期待と一緒に肺も膨らませる。
今あの頃を思いだそうとしても、傷付いたことや教室の風景くらいしか思い出せなくて、運動会で勝ったとかいう感動的なシーンとかは全く思い出せなかった。つまり、六年間を無駄にすごしたということ。あたしは毎日を適当に過ごしていただけだった。
――いや、過去形じゃおかしいかな。
今、この時も適当に過ごしているから現在進行形じゃないと。
あたしは赤く染まった町並みを見下ろしながら笑った。
――上手に笑えたかな。それとも、いつもみたいに笑ったのかな。
あたしは一瞬考えて、そして考えるのをやめた。
今となってはそんなことどうでもいいんだ。
もうすぐで、あたしはあたしじゃなくなるから。
よし。もうこんな暗いこと考えるのはやめよう。
あたしはもうあたしじゃなくてわたしになるんだ。
過去のことなんか思い出す暇もないくらいみんなに好かれている、明るくて前向きで、そして優しい女の子になる。
わたしは大きく頭を反らして深呼吸した。未来への期待と一緒に肺も膨らませる。
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