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飛行機雲?

[132]  2008-09-30投稿
自転車のベルの音。わたしは、窓から手を振る。
李遼も手を振る。車に気をつけてね、怪我しないでね。自分の体調より、李遼の事が気になる。雨の日は、胸が痛む。冷たくない?風邪ひかないでね。帰ったらちゃんと休んでね。好きだよ、李遼。誰よりも。だから、無理しないでね。朝のわたしは心配ばかり。でも、夕方になると、はしゃいでばかり。月初めだけが唯一わたしが海に行けるチャンス。約束だもの。
水着、どうしよう。サヤに相談しよう。マイとは、あれっきり口も聞かないまま、夏休みに入ってしまった。一緒に登校もしていない。わたしはサヤに一人で行くと伝えていた。あんたはマイといて。だって、わたしには李遼がいるもの。わたしは、マイを許していた。李遼が木場を許しているように。わたしも、李遼も、木場も、マイも、みんな、本当に不器用だよね。でも、わたしは、奇跡みたいに李遼にあえた。生まれた国も育った環境も違うのに、生まれたときからつながってたみたいにお互いに引かれあうことができた。だから、もう何も怖くない。いろんな事に感謝出来る。サヤは、連絡したら、快く買い物に付き合うと言ってくれた。
サヤと待ち合わせて駅の改札口に立っていた。
「ハル!」
サヤがかけてくる。
「あのさ、ハル。」
駆け寄ってきたサヤは息を切らしながら言った。
「もう一人、誘っちゃっ
た。ごめん、無断で。」
怪訝そうなわたしを見ながら、サヤは、
「マイ。」
と言った。
思いがけず、マイは、わたしの後ろに立っていた。
「ハル、ごめん。」
マイは泣いていた。
「気にしてないよ。」
「わたしを振ったくせに
何でハルはって思ったら
ハルが憎らしくて。」 「いいんだよ、本当に。
でも、マイ、わたし本当 に李遼が好きなんだ。」
「うん、わかってる。」
沈黙。
「ほら、ちゃんと誤った
ら、ハルは許してくれる
って言ったじゃん。」
明るいサヤの声。サヤは、本当にいい子だ。ただ はしゃいでいるだけの奴じゃない。ちゃんと、友達と向き合おう。
ごめん、サヤ、マイ。わたし、今まで、あんたたちの事ただの腐れ縁だと思ってた。嫌な奴だったよね。よく我慢して付き合ってくれてたよね。わたしの方こそ許してね。
時が、ゆっくり温度を上げてくれて、三人で水着を買いに行った。

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