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夜に咲く華〜その10〜

[412]  岬 登夜  2008-09-30投稿
「紅ちゃん…」
あやめは階段に立ち尽くす。


人形の様におとなしくなった紅を連二郎はしばらく黙って見ていた。

「吉原では綺麗ってだけでは客は着かない。お前、何か出来るのか?」
紅は黙っていた。
「いつも、旦那をどう喜ばしていたんだよ。俺にもやってみせろよ。ほらっ」
連二郎は無理矢理紅の着物の胸元を広げた。
「そんなもの知らないわ。あいつに抱かれたのは襲われたあの日だけ。それだけ」
無表情に紅は答える。
「ふーん」
連二郎は紅を抱き寄せ胸をまさぐった。
連二郎の手慣れた手つきに紅の身体はピクリと反応する。
「へぇ。人形だと思ったけどやっぱり女だね」
「なっ…! あっ…?」
またピクリと身体が反応する。

連二郎はゆっくりと紅の胸を弄ぶ。
乳房を揉み、乳首を舌で転がす。
紅の身体が一段と大きく反応する。
「あっ…」
紅の感じる声で連二郎にも火が付く。
紅の身体中を丁寧に愛撫し紅の秘部に手を入れる。ニヤッと笑って紅に言う。
「もう十分濡れたみたいだし今度は俺を喜ばせな」
紅く頬を染めた紅は連二郎をみた。
「何、これをしゃぶればいいのさ」
紅の前に一物を突き出す。紅はそれを手に持ってみた。見るのは二度目、触るのははじめてだった。少し握ると手の中でピクリと脈打つ。
「ほら、早く」
連二郎に促されて紅は笑った。
ケラケラと笑う紅を見て連二郎は初め気が狂ったのかと思ったがそうではなかった。
「何がおかしい!」
飛んで来た平手を紅は避ける。
「ここで終わりだよ。紅華楼の女将がここまで相手したんだ、後は黙って帰ってちょうだい」
「だからお前はもう女将ではない…」
と言う連二郎を紅は黙らせた。
「あんたが持ってた抵当権は母屋と離れの方。紅華楼は私のものだ」
そんな…?と顔をして連二郎は証書を見た。
「結婚した時に母屋と店とを分けて相続したの。すっかり忘れてた」
連二郎は笑った。
「だが、お前の借金はどうなる?」
「それなんだけど、紅華楼を売る。これだけの建物と土地、私の借金返してもお釣りがくるでしょう?」
これには連二郎も黙るしかなかった。
「お前は中々おもしろい。次に会ったら抱く」
そう言って部屋を出ていった。


連二郎一派がいなくなったのかあやめと妙が部屋に来る。

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