十字路とブルースと僕と俺
暑い暑い毎日だった。夏休みに遊びに行った田舎のおばあちゃんの家。そこには自然が腐るほどあって、空気は澄みすぎていて、そこに住む人たちは底抜けにやさしかった。当時のおれは、10才になったばかりのがきんちょだった。もう20年以上も前のことなのに、この夏のことは今でも鮮明に思い出せる。そして今の自分があるのも、この夏に体験した不思議な出来事のお陰に他ならない。おれの記憶が正しければ、あの時に起こった出来事はこんな感じだったと思う。
8月12日
おばあちゃんの家にきて3日目。この日も朝から晩まで暑い一日だった。この日の夜、家族で花火をした後、父とふたりで虫とりに行くことになっていた。その当時、父は毎日仕事仕事で家に帰ってくるのは夜中だった。その為か、上の姉たちはまだましだったが、おれはあきらかに父に対し嫌悪感を抱いていた。寂しさの裏返しだったと今思えばわかることだが、ガキだったおれはそんなことに気付くわけもなく、そんなおれとの関係を打破しようと父が誘ってくれた男ふたりでの夜の探険だった。最初のおかしな出来事はこの時に起こった。時間は午後9時を過ぎ、夜空には数えきれないほどの星と半分に欠けた月が鈍く光っていた。
8月12日
おばあちゃんの家にきて3日目。この日も朝から晩まで暑い一日だった。この日の夜、家族で花火をした後、父とふたりで虫とりに行くことになっていた。その当時、父は毎日仕事仕事で家に帰ってくるのは夜中だった。その為か、上の姉たちはまだましだったが、おれはあきらかに父に対し嫌悪感を抱いていた。寂しさの裏返しだったと今思えばわかることだが、ガキだったおれはそんなことに気付くわけもなく、そんなおれとの関係を打破しようと父が誘ってくれた男ふたりでの夜の探険だった。最初のおかしな出来事はこの時に起こった。時間は午後9時を過ぎ、夜空には数えきれないほどの星と半分に欠けた月が鈍く光っていた。
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