ロストクロニクル2―9
老人はタクトの話を黙った最後まで聞いていた。
「あなたが襲ったんですか?」
パールが信じられないといった表情で問い掛けた。
「そうじゃ、わしが村を襲った」
「ムシを入れたのもあなたですよね」
「ああ、手紙を取りに行くふりをして扉を壊してきたんじゃ」
「どうして分かったんだ?」
「ぼくたちには「助けてくれ」と言ったのに村長の前では顔を隠したからだよ。襲った時に顔を見られていたらまずいからね」
タクトは老人の方を向いた。
「そしてもうひとつ、あなたはR11のメンバーですね」
パールには一瞬時が止まったように思えた。
「頭が良いのーお前さんは」
「R11の目的は何だ!」
「わしらの目的は『勇者の血』の完全なる根絶」
口調が別人のようだ。
「『勇者の血』って何なの」
「ヒントをやろう。『勇者の血』とは太古より続くパラスの民の血縁、血縁は永きに渡り『不死鳥』の為に増加した。お前たちも『不死鳥』を呼び覚ます為には『勇者の血』が必要なことくらい知っとるだろう?」
「つまり、ここにも『勇者の血』を持つ者がいたのか」
「ちょっと待てよ。一体何の話をしてんだ?」 ウェドがしびれを切らして話に割り込んできた。「愚かなパラスの民は自分が何者かも、忘れられた歴史も知らぬまま生きているんじゃ」
老人が独り言のようにタクトたちに伝えた。
「どういうことだ」
「わしはもう役目を終えた。そろそろ、帰ろうかのー」
老人は無視して巨大な扉の方へ歩いて行く。
「ちょっと待てよ!」
ウェドが老人の背中に向かって叫んだ。
「よくわかんねぇけど、要するに、俺の村を襲った奴が今、目の前で逃げようとしてんだろ!」
「何が言いたい?」
ウェドはハンマーを抜いた。
「わしは戦わんぞ。わしの用事は済んだんでな」
「逃げる気か!」
「そう思われても結構じゃ」
老人は冷たく言い放った。
「待ちなさい!」
矢が老人の顔をかすめた。
「次は当てる」
「何もしていないのにか?」
パールは悔しそうに弓を下ろした。
「お前の仕事はまだあるぞ!」
タクトは『木彫りの不死鳥』の一部を老人に見えるように掲げた。
「なるほど、ただの旅人では無いようじゃの。
それを返してもらおう」
三人は戦闘体制に入った。
「仕方ないのー」
老人の懐から大きな鎌が出てきた。
「あなたが襲ったんですか?」
パールが信じられないといった表情で問い掛けた。
「そうじゃ、わしが村を襲った」
「ムシを入れたのもあなたですよね」
「ああ、手紙を取りに行くふりをして扉を壊してきたんじゃ」
「どうして分かったんだ?」
「ぼくたちには「助けてくれ」と言ったのに村長の前では顔を隠したからだよ。襲った時に顔を見られていたらまずいからね」
タクトは老人の方を向いた。
「そしてもうひとつ、あなたはR11のメンバーですね」
パールには一瞬時が止まったように思えた。
「頭が良いのーお前さんは」
「R11の目的は何だ!」
「わしらの目的は『勇者の血』の完全なる根絶」
口調が別人のようだ。
「『勇者の血』って何なの」
「ヒントをやろう。『勇者の血』とは太古より続くパラスの民の血縁、血縁は永きに渡り『不死鳥』の為に増加した。お前たちも『不死鳥』を呼び覚ます為には『勇者の血』が必要なことくらい知っとるだろう?」
「つまり、ここにも『勇者の血』を持つ者がいたのか」
「ちょっと待てよ。一体何の話をしてんだ?」 ウェドがしびれを切らして話に割り込んできた。「愚かなパラスの民は自分が何者かも、忘れられた歴史も知らぬまま生きているんじゃ」
老人が独り言のようにタクトたちに伝えた。
「どういうことだ」
「わしはもう役目を終えた。そろそろ、帰ろうかのー」
老人は無視して巨大な扉の方へ歩いて行く。
「ちょっと待てよ!」
ウェドが老人の背中に向かって叫んだ。
「よくわかんねぇけど、要するに、俺の村を襲った奴が今、目の前で逃げようとしてんだろ!」
「何が言いたい?」
ウェドはハンマーを抜いた。
「わしは戦わんぞ。わしの用事は済んだんでな」
「逃げる気か!」
「そう思われても結構じゃ」
老人は冷たく言い放った。
「待ちなさい!」
矢が老人の顔をかすめた。
「次は当てる」
「何もしていないのにか?」
パールは悔しそうに弓を下ろした。
「お前の仕事はまだあるぞ!」
タクトは『木彫りの不死鳥』の一部を老人に見えるように掲げた。
「なるほど、ただの旅人では無いようじゃの。
それを返してもらおう」
三人は戦闘体制に入った。
「仕方ないのー」
老人の懐から大きな鎌が出てきた。
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