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お別れの詩?

[524]  2005-11-09投稿
会場にはだんだんと人が集まり初めていた。
「ねぇ、和馬…。おじいちゃんに愛人って本当なの?」
「さぁ。本当かどうかは知らねえよ。でも、聞いた話によるとじぃさんよりかなり若いってよ」
「…なんでそんなに詳しいのよ?」
すると和馬はにやついた顔になる。
「うちの母さんからの情報だよ。母さん、ばぁさんのことに関しては事細かに知ってるからな」
和馬のママと真喜江おばあちゃんはいわゆる嫁と姑であまり仲が良くないのだ。和馬が言うには、これはもうしょうがないものらしい。二人の価値観や考え方がまるで対極なのだそうだ。おばあちゃんは昭和を生き抜いてきた人らしく、保守的で家庭を守ることに一生懸命な人だ。そして和馬ママは結婚をして子供が出来ても仕事に情熱を燃やすキャリアウーマンなのだから。どちらの生き方もすばらしいとしても、一緒に生活せざるを得ない仲間としてこれほど相性の悪い組み合わせはないだろう。
おじいちゃんがいなくなってしまったら、これからの生活はどうなるのだろう、とぼんやり思った。

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