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君が好き。だから。

[568]  ケィ。  2008-10-04投稿


「ねぇ、アタシのこと好き?」


ナオキの首に

腕を回して、

彼の少し傷んだ髪に、口唇を寄せて。


アタシは囁くみたいに、尋ねる。



「好きだよ」


ナオキは、
優しく答えてくれる。


「本当に?
大切に思ってる?」



「思ってる。」




嘘。

知ってるから。
他に付き合ってる娘がいるって。



だけど、

アタシのこと、
好きって言ってくれるのは
ナオキだけだから。


好きって
言って欲しいのも、
ナオキだけだから。


だから嘘を、つき続けて。




「…大切に思ってるから…」


ナオキが、

小さな、

消えそうな声で。





「……絞め技は、
ちょ、ギ、ギブ…」




…うん、
許せないものは
許せないってゆーか。
― Fin.

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