時と空の唄7-7
「なあ、ラウフ。クラーン島ってのはどうやって行くんだ?」
雨の上がった通りを歩きながらランスォールが言った。
「ん?あぁ、アルセスカから船で行けるだろ。」
「アルセスカといえばここから目と鼻の先じゃないか。」
クオーカから港町アルセスカまでは半日ほどで行けるかなり近い町だ。
「お昼頃出れば夕方には着くんじゃない?」
「明日は…船なんですね…」なんだか青ざめた雪が恐る恐る呟いた。
「…?そう、だね。」
「ですよねぇ…」
雪は深くため息をついた。
昼前にはクオーカを出た。散々右往左往してアルセスカに着いたのは日が落ち、港町のあちこちでは夕飯のいい匂いが漂い出す頃だった。
「全く…あそこでランスが道を間違えなければ日没前には着いたのに…!」
予定より大幅に時間が押していることにシーラは腹を立てているようだ。
「わかった、わかった。
俺が悪かった。」
ランスォールも必死で謝ったが結局、シーラはこの日ランスォールとは口をきいてくれなかったとか。
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