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僕へ送る手紙 5

[198]  もうぎゅう  2008-10-07投稿
来て欲しくない1週間後っていうのは、来てしまうと早いもんだ、っとユウスケは思った。とうとうミカの両親に会う為に、二人はミカの実家の玄関の前にいた。

少し緊張気味のユウスケに対してミカは、きれいな黒髪ををなびかせて、笑顔で振り向き
「ユウスケ、あんまり緊張しないでね、大丈夫だから。」
何が、大丈夫なのかわからなかったが、不思議と少し落ち着いた。

ピンポーン。

ドアがガチャ、と開き、出てきた顔を見てびっくりした。
歳を重ねたミカを見てるようだった。
「いらっしゃい、ユウスケ君。さぁ、どうぞ。」

ミカと並んで、椅子に腰掛けた。

「ごめんねー、ユウスケ君、お父さんは今日仕事で遅くなるみたいなの。」
ユウスケの前に置いたティーカップから、ふわーん、と甘い、いい香りがした。



三人で3時間ぐらい、しゃべっただろうか。ほとんど、ミカのお母さんがしゃべってはいたが。

「それじゃ、お邪魔しました。」
ユウスケがそういうと、玄関先でミカとお母さんは、またきてね、と似た笑顔が並んで手を振った。


ユウスケは一人バイクを走らせていた。ミカを大事にしよう、家族に認めてもらおう、と、最後に集会に行ってアキラさんに、族を辞めると言う決意を固めていた。
向かいながら、ミカのお母さんを思い浮かべると、初めてお母さんと呼べる存在の温かみを知った。
綺麗で、優しくて、お金持ちで、お洒落で・・・。
理想のお母さん。

を、浮かべながらユウスケは昔育ててくれた施設の「ヤツ」が頭に浮かんだ。

ブサイクで、うるさくて、ビンボーで、がさつな・・・。

(ちっ、なんだよ、あんなヤツ・・・。)

バイクの風を受けながら、走ってると急にネコが飛び出してきた。

「うわっ!?な、何だ!?」
ユウスケは反射的にハンドルを切り、間一髪!!ネコをよけた。
が、バランスを崩し、愛車から投げ出さた。

ズガガガガガ!!

、ユウスケは地面を滑っている感覚だった。
(う・・・っわ、やべぇ・・・。)

と、突然

スガンッ!!

と全身に衝撃が走った。みるみる、雲りガラスのように視界が狭くなり、意識が遠のいた。

ユウスケは事故を起こしてしまった。

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