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航宙機動部隊前史後編・18

[579]  まっかつ  2008-10-08投稿
ギャームリーグ三宙邦の降伏によって戦争は終ったが、本来なら真っ先に取り組むべき《戦争の根本原因》の解決を、それは意味した分けでは無かった。
特に、断行された極端な軍備縮小と大量発生した元軍人失業者の存在は、早くも社会不安と化していた。

何よりも、参戦した全ての勢力に共通していた事だが、長引く戦争は、末期を除けば経済成長と雇用拡大のほぼ唯一の水源として、皮肉にもあらゆる産業や階層を潤していたのだ。
軍事バブルの破綻―人類宇宙は、再び閉鎖的な停滞と貧困の時代を迎えようとしていた。

九0億七000万人―これは、銀河元号一五四八年時に置ける元軍人失業者の総計だ。
一億四00万人―生活苦や故郷等からの受け入れ拒否・平和愛好団体等からの迫害の為に、これだけの元軍人が、同年までに自殺している。
追い詰められた彼等による犯罪は、やはり一五四八年までに六一五億件を数え、処刑された人数は、自警団によるリンチを含めると、実に三億人に及んだ。

そして、この暗く冷たい時代に追い討ちをかけたのが、格差問題だ。
戦争によって莫大な財を築いた者・逆に故郷や家族や職を奪われた者―\r
勝者たるフリースユニオンは、新たに銀河連合《GU》を結成し、この問題解決に取り組んだが、新政府の中枢、並びに経済的協力者の大半が言わば《持てる者》で占められている以上、それは骨も皮も抜かれた《救済策の残骸》と化するのに、そう時間はかからなかった。

それ所か、彼等銀河連合は、社会不安の原因を落ちぶれた元軍人達に転嫁し、銀河元号一五四九年、討伐を開始した。
事実、この時点までに元軍人達の不満は爆発し、概算六八000の武装組織が結成され、銀河中でゲリラ戦が展開されていたのだ。
銀河連合は、大軍を派遣し、彼等を徹底的に殲滅し、生き残った者には、死よりも恐ろしい残虐な処刑を課して、見せしめとした。
まるで地球時代の専制を思わせる歴史的な退行であった。

そんな最中、かつてのネオフリート司令官・ガニバサが、アイアントライアングルを拠点に立ち上がったのだ。
銀河元号一五四九年第四期五三日(修正太陽暦八月二三日)の事であった。
当時ガニバサは、ネオフリート司令官・銀河連合機動宇宙軍元師・占領軍最高司令官・アイアントライアングル監察委員会長と多数の要職を兼務していた。

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