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特別ではない主婦?

[273]  紀々  2008-10-08投稿
楽しかったの。
とっても。でも、それは結構早くピリオドが打たれるのですよ。
調度今くらいの季節で。
ピリオド打たれた瞬間を今でも覚えてる。大袈裟だけど、本当に写真に残した位の鮮明さ。

そこまで行き着くまで。
私、彼女が字がとても美しい(小学生レベルで)のを知って、チラシの裏に必死で自分の名前書き散らしたりした。
「私も!キレイな字が書けるようになりたい!」って、本当に頑張ったりしてたし、
めちゃくちゃ苦手な算数も彼女が得意と知れば、自分の出来る限り(笑)教科書に無意味なアンダーラインを引いたわ。
結局、教科書に汚くなっただけで算数得意にはならなかったけどね。
所詮そのレベルでも、大好きな彼女に少しでも近付きたかったの。
かわいらしいわね。

あ、自分にほほえましくなっちゃった・・・。
30ちょいの主婦から見たら!よ、決して自画自賛じゃないのよ(笑)

でね、彼女、髪が長かったの。いつも素敵なヘアゴム付けてた。
キラキラで、ピンクで。
ハートだったり、お星様だったり。色は必ずピンクだったけど、毎日違うのを付けて来てた。
私はバサバサのショートヘアだったから、羨ましかったなぁ。
もう、毎日違うピンクのヘアゴムにさらさらの髪なわけだから、マネ出来る感じでもなかったりするんだけど。
それでも、母に無理無理にパッチンクリップを(今、何て言うの?)付けてもらって。一生懸命だった。
張り合ってたんじゃないの、本当に魅力的な彼女のようになりたかった。

のに。
来たの。ピリオドの日。

当時、クラスで縄跳びが流行ってたのよ。
運動神経抜群な彼女に手ほどきをされながら、私は「二重跳び」を練習してたわけ。
毎日、休み時間に付き合ってもらってた。彼女、文句一つ言わなかった。
素敵な子でしょ?
いつ出来るようになんのよ?って私自身が思ってた位に道のりの長くなりそうな練習に、ちゃんと付き合ってくれてたの。
しつこいけど。
素敵な子でしょ?
大好きだったの。

でもね。あんまりにも出来ない私にとうとう、彼女はしびれを切らして。「お手本よく見てて!」って大きな声で言ったのよ。ビックリした。
優しい彼女が怒鳴ったんだよ?私、泣きそうになった。もう、嫌われちゃったって思った。

でも、それがピリオドではないの。違うの。

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