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Killing Night Freaks/Chap.2-13

[326]  夢の字  2008-10-08投稿

…………まだ!

跳躍しながら半身を捻り、後ろ回し蹴りを近くの木に叩き込んだ。衝撃。足が軋み、痛みに顔を顰め、けれど全てを無視して踏み切った。

跳ぶ。銃声は下を抜けた。

空中で更に身を捻れば、視界の下、枝葉に隠れるように潜む人影。こちらを見上げ、唖然としている。笑みを返し、腰のホルダーから鉈を抜き放った。全体銃と落下の勢いを載せて、振り下ろす!

響く金属音は、鈍く。刃はライフルの銃身に防がれていた。押し返す力を利用して刃を跳ねさせ、横に。僅か、後ろに下げた左足を軸に回転の勢いを載せて薙ぎ払う。

銀閃。差し出されるような形になっていた相手の右腕を半ばまで断つ。手先に硬い感触と、刃先にこびりついた血。確かな手応えとなって手に残った。腹部に衝撃。蹴り飛ばされた。鉈は手放していない。理解し、た途端に左腕一本でライフルを袈裟に振るわれた。スウェーでかわし、鉈の背をその銃身にかち当てた。鈍い音と共にライフルがすっぽ抜けて飛んでいった。

「はは」

お互いにバックステップで距離を取りながら不自然な姿勢から身を戻し、構え直す。自然、僕の口から笑いが漏れ、相手は歯軋りを僕に返した。

楽しい。今、僕は最高に楽しんでいる。相手を打ち倒すことだけを考える殺しの時間。普通でいることに嫌気がさしている僕に取って、それは夢中になるには十分過ぎた。

「オマエは何者だ? “協会”の使者か? “群隊”の手先か? それとも、」

低い男の声で、狙撃主が問う。でも知らない。息を調え、吸い、そして吐いて、

「ユーザー、ではないのか。ではプログラマでも……ッ!」

踏み込み、右手の鉈で突きを放つ。半身になって避けた相手に追撃の巻き込むような左フック。傾いで落ちた頭に蹴りを入れ、サッカーボールのように跳ね上げた。更に踏み込み、追撃を加えようとしたところで、


「そこまでよ」


声が聞こえた。そちらを見ると、そこには。

「……あ」

あの夜、学校の屋上で見た少女がナイフゆ構えて立っていた。

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