湖畔
湖畔 1
「あっ〜、なんでなのよ〜」
さっきから何度このセリフを口にしているだろう。
だからといって、この状況が変わる事はないのだが。
町と町とを結ぶ山道の脇で、愛車にもたれかかって、佑子は途方にくれていた。
ガス欠。残量が僅かなのも分かっていた。カーナビ頼りに見つけたスタンドが、潰れていた。最後に見た民家に引き返すには、かなりの距離があった。前に進むしかなかった。…結果、土地勘もないこの場所で、立ち往生してしまったのだ。
町まで歩いて行こうと、覚悟を決めた時だった。来た方向からエンジン音が聞こえてきた。一瞬幻聴と耳を疑ったが、どんどん大きくなってくる音の方に目を向けていると、一台のオートバイがやって来た。
佑子は、おもいっきり手を振った。
佑子の側でオートバイが止まった。メットを外すとそこには、端正な顔立ちの男性が現れた。
佑子は事の経緯を説明した。
佑子が話し終えると、
「あ〜あそこのスタンド1ヶ月前に潰れたからなぁ…」と、言いながら携帯を取り出し、誰かに電話をしだした。
電話を終えると
「10分ほど待って、知り合いに頼んだから」
「あ、ありがとうございます。」 佑子は少し涙声になりながら、頭を下げた。
男は佑子の横に立ち、タバコを取り出し、火を付けた。佑子はその横顔を改めて見て思った。年は少し上かな?とても端正な顔立ちで、黒のライダーススーツが良く似合っている。
ふと男が佑子の方を見ながら、
「東京から来たの?こんな田舎に…」
「あっ、は、はい。…あの〜S湖って、ご存知ですか?」
「あ〜知っているけど…」と男が言い終わらない内に、来た道と反対方向に1台の軽トラックがやって来るのが、目に映った。
2へ続く
「あっ〜、なんでなのよ〜」
さっきから何度このセリフを口にしているだろう。
だからといって、この状況が変わる事はないのだが。
町と町とを結ぶ山道の脇で、愛車にもたれかかって、佑子は途方にくれていた。
ガス欠。残量が僅かなのも分かっていた。カーナビ頼りに見つけたスタンドが、潰れていた。最後に見た民家に引き返すには、かなりの距離があった。前に進むしかなかった。…結果、土地勘もないこの場所で、立ち往生してしまったのだ。
町まで歩いて行こうと、覚悟を決めた時だった。来た方向からエンジン音が聞こえてきた。一瞬幻聴と耳を疑ったが、どんどん大きくなってくる音の方に目を向けていると、一台のオートバイがやって来た。
佑子は、おもいっきり手を振った。
佑子の側でオートバイが止まった。メットを外すとそこには、端正な顔立ちの男性が現れた。
佑子は事の経緯を説明した。
佑子が話し終えると、
「あ〜あそこのスタンド1ヶ月前に潰れたからなぁ…」と、言いながら携帯を取り出し、誰かに電話をしだした。
電話を終えると
「10分ほど待って、知り合いに頼んだから」
「あ、ありがとうございます。」 佑子は少し涙声になりながら、頭を下げた。
男は佑子の横に立ち、タバコを取り出し、火を付けた。佑子はその横顔を改めて見て思った。年は少し上かな?とても端正な顔立ちで、黒のライダーススーツが良く似合っている。
ふと男が佑子の方を見ながら、
「東京から来たの?こんな田舎に…」
「あっ、は、はい。…あの〜S湖って、ご存知ですか?」
「あ〜知っているけど…」と男が言い終わらない内に、来た道と反対方向に1台の軽トラックがやって来るのが、目に映った。
2へ続く
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