奈央と出会えたから。<242>
* * * * * *
聖人の誕生日当日――
あたしは少し早めに起きた。
『奈央。じゃあ、母さん仕事に行って来るわね。火の元だけは十分注意するのよ。』
『はぁい。分かってるわよ。きゃあ〜っっ!!もう、こんな時間!!聖人が来ちゃうよぉ〜!!』
そう――
聖人は、これからあたしの家に来てくれるコトになってるんだ。
そして――
あたしは今、
聖人のバースディ用のシフォンケーキを作製中。
今、作ってるシフォンケーキは、オーブンでは焼かずに、
ステンレス製のお鍋で焼くんだ。
だから、超カンタンに出来る筈なんだケド――
『そんな慌てるなら、もう少し早く起きればよかったじゃないの。』
母の、そんなもっともな意見すら聞いてる余裕は、あたしには無いっっ!!
『だって、こんなに時間がかかると思ってなかったんだもん。』
ふぇ〜〜ん。
焦りながらも電動の泡立て器で卵を泡立てる。
『奈央。ひとつだけ言っておくけど――』
母が玄関へ向けた体を向き直って言った。
『なぁに?!』
『聖人君とエッチはしたの?!』
は‥はぁ〜〜???
な、何っっ???
い、いきなりっっ???
『お母さんっっ。何よっっいきなりっっ。へ、変なコト聞かないでっっ!!し、してないわよ、そんなのっっ!!』
ふ、普通聞く?!
嫌だっっ‥‥。
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