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エレガント…2

[309]  海城なな  2008-10-10投稿
仕事が終わりちょうど帰宅した頃…母親が玄関先まで出迎えてくれた。 

「何、今日は帰宅が早いやないの?」 

「そんなに忙しくなかったし食数が少なかったのよ」

「それなら、今日は一緒に夕飯食べれるわね。」母はホッとした顔を浮かべ言った。 


夏子は靴を脱ぎ無言で母を横切り早歩きで部屋に向かった。

部屋にはいり着替えだした。まず上は白いTシャツから花柄のついた黒のブラウスに下はジーパンからダークブラウンのロングスカートはき束ねていた一つ結びの髪もはずした。 

夏子の髪はゆるやかで透けるような触りごこちがよくいい髪だった。この髪は夏子自身の自慢でもあった。 

ようやく、着替え終わったところで今度は小さな置き鏡の前で念入りに化粧をしはじめた。 

肌も白いし余計なシミやそばかすもない。50代とは思えないほど綺麗な肌をしていたのでケバく塗る必要もないのだ。

ようやく、化粧も終えたところで今度は窓ガラスに微かに映る等身大の自分をみる。そこに映る自分をみては喜び色々な角度からの自分を見た。 

仕事では絶対に出来ない格好が今では出来る。  


この時が一番幸せな一時なのだ。 

ようやくチェックも終えたところで夏子はショルダーバックを肩にかけ赤のハイヒールをはき出かける。 
すると母はまたまた早足で玄関まで駆けつけた「あんた…今からどこにいくの?」

「買い物だけど?」

「買い物は済んでるじゃないの?」

「買い忘れたものがあったから」 

「そう、ならいいけど…」 

「じゃあ、行ってくる」 

「いってらっしゃい……………………………………」 
母親は何か思い詰めた顔で夏子の背中を見つめ見送った。

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