バスターズ!・第三十六話「罪人」
足を止めた龍一の10?もない正面に、正門は静かにたたずんでいた。
咲坂が普通の生活には戻れないかもしれない、と言っていたぐらいだ、あの門の前に出れば、きっと警察からは逃げられるだろう。
しかし、それは自分が『人殺しです』と言っているようなものだ。
龍一は後ろを振り向いた。こっそり忍び出てきた病院が一望できる。
闇夜に白く少し横長にどっしりと構えたその建築物。その時の龍一にとって、それはまるで自分を勝訴に導く聖なる裁判所の様に見えた。
(ああ・・・)
龍一は病院に向かって、ゆっくりと一歩踏み出した。が・・・
ガンッ!
踏み出した瞬間、踏み出した足を自分で殴っていた。足を経由して、怪我をしている右腕と頭に痛みが響く。
「く・・・!何やってんだよ・・・おれ・・・!」
龍一はか細い声で言った。「アキラのかたきをとるためにここまで来たんだろうが!!」
自分で自分の顔を殴る。頭に痛烈に響いた。
「警察なんかと話してる暇はねぇ!」
頭がくらくらしたが、龍一は意識をしっかりと保ち、正門に向き直した。
「俺は行く・・・!」
龍一は正門に向かって、強く一歩踏み出した。
その時、龍一は背に向けた建物からまるで人を人と思わないような、黒い声が聞こえたような気がした。
『人殺し・・・』
それにかまわず、龍一はまた一歩踏み出した。
『犯罪者め・・・』
また一歩。
『この罪人が!』
「罪人でもいい!俺はアキラのかたきを討つ!!」
龍一は、正門へ走りだした。
咲坂が普通の生活には戻れないかもしれない、と言っていたぐらいだ、あの門の前に出れば、きっと警察からは逃げられるだろう。
しかし、それは自分が『人殺しです』と言っているようなものだ。
龍一は後ろを振り向いた。こっそり忍び出てきた病院が一望できる。
闇夜に白く少し横長にどっしりと構えたその建築物。その時の龍一にとって、それはまるで自分を勝訴に導く聖なる裁判所の様に見えた。
(ああ・・・)
龍一は病院に向かって、ゆっくりと一歩踏み出した。が・・・
ガンッ!
踏み出した瞬間、踏み出した足を自分で殴っていた。足を経由して、怪我をしている右腕と頭に痛みが響く。
「く・・・!何やってんだよ・・・おれ・・・!」
龍一はか細い声で言った。「アキラのかたきをとるためにここまで来たんだろうが!!」
自分で自分の顔を殴る。頭に痛烈に響いた。
「警察なんかと話してる暇はねぇ!」
頭がくらくらしたが、龍一は意識をしっかりと保ち、正門に向き直した。
「俺は行く・・・!」
龍一は正門に向かって、強く一歩踏み出した。
その時、龍一は背に向けた建物からまるで人を人と思わないような、黒い声が聞こえたような気がした。
『人殺し・・・』
それにかまわず、龍一はまた一歩踏み出した。
『犯罪者め・・・』
また一歩。
『この罪人が!』
「罪人でもいい!俺はアキラのかたきを討つ!!」
龍一は、正門へ走りだした。
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