湖畔【3】
男の後について森の中へと入って行く。
奥に進むにつれて道は、細くなっていき、まだ昼間だというのに薄暗い。
本当にこんな場所に湖なんてあるのだろうか?もしかして…この人私を森の奥深くに連れ込んで……
そんな不安が脳裏を過った。
突然男が振り返った。ドキッとして一瞬体がこわばる。
「ほらっ」
男が前方を指差す。そこにはぽっかりと光の穴があった。
さらに歩を進めて行くと、鬱蒼とした木々に囲まれた小さな湖がその姿を現した。
「うわぁ〜…」
思わず感嘆な声をあげる。日の光が木々の隙間から水面に注ぎ、キラキラ揺らしている。
まるで異空間に迷い込んだような錯覚さえ感じる。
男が近くの切り株に腰を降ろした。それにならって腰を降ろす。
二人は無言でただ目の前にある幻想的な風景を味わっていた。
どれくらいの時間がたったのだろう?様々な変化を見せるその姿は飽きるどころか、吸い込まれていきそうだった。
「もうそろそろ日も落ちそうだし、出ましょうか」
男が腰を上げる。
「あっ、すいません。こんな時間まで」
あわてて腰を上げた。すっかり男の存在を忘れていた。
もときた道を戻り、車の所へ戻ってきた。
「今日は本当にありがとうございました。しかもこんな時間まで」
頭を下げる。
「いいよ。どうせ暇だったし」
「この先はカーナビもあるし、一人でも帰れますので…。あっ、そうだお礼をさせて下さい」
「ホントいいよ。してもらう程の事でもないし」
「で、でも…」
「その気持ちで十分です」
「やっぱりダメです。何か…そうだ連絡先だけでも」 「じゃあ…これで…」
と男が言いながら、顔を近付けてきた。
男が佑子の顎をそっと持ち上げる。
「えっ…」
唇が重なる。
「確かにお礼はもらったよ」
そういうと男はバイクに股がり、軽く片手を上げその場から去って行った。
しばらく佑子はその場から動けなかった。
奥に進むにつれて道は、細くなっていき、まだ昼間だというのに薄暗い。
本当にこんな場所に湖なんてあるのだろうか?もしかして…この人私を森の奥深くに連れ込んで……
そんな不安が脳裏を過った。
突然男が振り返った。ドキッとして一瞬体がこわばる。
「ほらっ」
男が前方を指差す。そこにはぽっかりと光の穴があった。
さらに歩を進めて行くと、鬱蒼とした木々に囲まれた小さな湖がその姿を現した。
「うわぁ〜…」
思わず感嘆な声をあげる。日の光が木々の隙間から水面に注ぎ、キラキラ揺らしている。
まるで異空間に迷い込んだような錯覚さえ感じる。
男が近くの切り株に腰を降ろした。それにならって腰を降ろす。
二人は無言でただ目の前にある幻想的な風景を味わっていた。
どれくらいの時間がたったのだろう?様々な変化を見せるその姿は飽きるどころか、吸い込まれていきそうだった。
「もうそろそろ日も落ちそうだし、出ましょうか」
男が腰を上げる。
「あっ、すいません。こんな時間まで」
あわてて腰を上げた。すっかり男の存在を忘れていた。
もときた道を戻り、車の所へ戻ってきた。
「今日は本当にありがとうございました。しかもこんな時間まで」
頭を下げる。
「いいよ。どうせ暇だったし」
「この先はカーナビもあるし、一人でも帰れますので…。あっ、そうだお礼をさせて下さい」
「ホントいいよ。してもらう程の事でもないし」
「で、でも…」
「その気持ちで十分です」
「やっぱりダメです。何か…そうだ連絡先だけでも」 「じゃあ…これで…」
と男が言いながら、顔を近付けてきた。
男が佑子の顎をそっと持ち上げる。
「えっ…」
唇が重なる。
「確かにお礼はもらったよ」
そういうと男はバイクに股がり、軽く片手を上げその場から去って行った。
しばらく佑子はその場から動けなかった。
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