携帯小説!(PC版)

千の光

[436]  アイ  2008-10-12投稿
千の光があなたを照らしても

あなたの頬を伝う涙は変わらないんでしょう

きっとそれはキラキラ輝いて

ますます哀しげに、儚げに

ぽたぽたと地面に染みてゆくんでしょう

――どうして?

痛いのは同じだったはず

お互い同じだけ傷ついたはずでしょう?

なぜあなただけ泣くの?

なぜわたしは涙が流れないの?

わからない、わからないから

わたしはひたすら空のライトを操り

あなたを照らしています

千の光をあなたに届け

泣きやんでほしくて

ただそれだけで

こんなにも綺麗な光を

あなたの上に注ぐのです

見えませんか?

見えてますか?

なぜ光の中で、あなたは涙をこぼし続けるの?

わたしに何ができるでしょう

ちっぽけなわたし、非力なわたしに

泣くことさえできないわたしに

あなたと分かち合った傷は

相変わらずわたしの胸を突き刺すというのに

千では足りませんか?

万の光で照らしましょうか

だから、お願いだから、どうか、

泣きやんで……

あなたの泣き顔、綺麗に光るあなたの泣き顔

千の光で照らされたあなたの泣き顔を

もう見せないで

これ以上わたしを

わたしの心を壊さないで

笑って下さい

笑って

笑って

光が闇に変わる前に

わたしの中で、あなたへの殺意が芽生える前に

千の光のもとで笑って下さい……

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