携帯小説!(PC版)

pain?

[287]  mia  2008-10-16投稿
だれかだれかだれか

嘘だといって

この空を覆う断続的な閃光

人々を飲み込む砂煙

慟哭と悲鳴

そして

この手をつたう温かい血

目を開けてよ

兄さん

私をおいていくの?

嘘だといって

「危ない!」

ドオオォォン!!

再び砂煙が舞い上がった。

「アッシェンレッテ!逃げるんだ!!ルキウスは…おまえの兄さんはもうだめだ!!」

男が私の手を無理矢理引き、走り出した。握っていた兄さんの手は、地面に落ち、動かなかった。

私は、引きずられながら砂煙が舞い上がる空を見上げた。白く光る砂の間は、嫌味なほど青くみえた。

…許さない。

許さない、許さない、許さない。

ルタ族。私の兄さんを、私の大事なものを奪った奴ら。

…殺してやる。

殺してやる、殺してやる、殺してやる。

白と青の空に、私は誓った。



「助けてくれ…!」

男は震えた声で女を見上げた。

「ふっ…」

女は顔を手で覆った。

「あっはっはっはっ!」

女は指の間から男を見下ろした。青い瞳が、逆光に怪しく光る。

「どうして?」

「え?」

男はつい聞き返した。

「何故助けるの?」

女は首を傾げた。

「なぜって…!」

男は目を見開いた。

「俺が何をしたっていうんだ!いきなりむなぐら掴まれてこんな…なんで殺されなきゃいけないんだよ!!」

カチ カチ

男はびくっとした。女は持っていた銃を無言でいじっている。逆光で表情が読めないことが、よけいに恐怖を増幅させる。

「わかりきったことだ」

女は男に近寄った。

「なぜ殺されるか。おまえが、私に」

トンッ

女は壁に手をあてた。

「おまえが、ルタ族だからだ」

「あっ…おまえ…まさかあの殺人鬼…」

ドンッ

ズッ…ドサッ

男は地面に崩れ落ちた。

「アッシェン!」

女は路地の入口を見た。銀髪の少年が立っている。

「はやく!官憲が近くに来ている!」

「わかった。おまえも行け。フェンリ」

少年は頷き、走っていった。

女は振り返り、こめかみから血を流し地面に倒れた男の姿を見下ろした。

感想

感想はありません。

「 mia 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス