ある朝
目は覚めていた
背後で携帯のバイブ音がしている
ブー、ブー、というその音に体をズリズリと近づけようとしながら彼女は壁の時計を見た
昨夜からつきっぱなしの電灯を照り返す時計に目を細め、電話がきているのだから今は6時50分なのだと逸らす。
だるい。
遅々として縮まらない距離に寝返りをうち、手探りで携帯を探り当てる。
耳の定位置を探して携帯を顔にすりあてていると、低い声が彼女の耳に触れた。
「おはよう」
彼女はやっと見つけた定位置に耳をぎゅっと押し付けて息をはく
「おはよぉ…っ」
思い切りのびる足
「ねむそうだね」耳をくすぐる低い笑い声
「う〜ん…」
力んだ全身から一気にちからを抜きながら、かのじょは幸せに包まれて笑みを浮かべた
目を開ける
「おはよ」
今度は少し力強く、愛しげに彼女は言う
携帯の向こうからこれも愛しげな笑う気配がする
「夏希〜…」
呼び掛けられて彼女は次の幸せを予感する
「ん〜?」
「愛してるよ」
けだるくて幸せな朝が今日も彼女を包んでいた
彼女の寝返りにやわらかな布団が音をたてる
布団と携帯にはさまって、恥ずかしげに彼女がささやいた
「私も…
愛してるよ」
背後で携帯のバイブ音がしている
ブー、ブー、というその音に体をズリズリと近づけようとしながら彼女は壁の時計を見た
昨夜からつきっぱなしの電灯を照り返す時計に目を細め、電話がきているのだから今は6時50分なのだと逸らす。
だるい。
遅々として縮まらない距離に寝返りをうち、手探りで携帯を探り当てる。
耳の定位置を探して携帯を顔にすりあてていると、低い声が彼女の耳に触れた。
「おはよう」
彼女はやっと見つけた定位置に耳をぎゅっと押し付けて息をはく
「おはよぉ…っ」
思い切りのびる足
「ねむそうだね」耳をくすぐる低い笑い声
「う〜ん…」
力んだ全身から一気にちからを抜きながら、かのじょは幸せに包まれて笑みを浮かべた
目を開ける
「おはよ」
今度は少し力強く、愛しげに彼女は言う
携帯の向こうからこれも愛しげな笑う気配がする
「夏希〜…」
呼び掛けられて彼女は次の幸せを予感する
「ん〜?」
「愛してるよ」
けだるくて幸せな朝が今日も彼女を包んでいた
彼女の寝返りにやわらかな布団が音をたてる
布団と携帯にはさまって、恥ずかしげに彼女がささやいた
「私も…
愛してるよ」
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