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ノイズ‐NOISE‐第三章?

[355]  紀夜  2008-10-17投稿
 夜の街は、静かである。あの火事の事件以来、街の人は怖がって、夜はほとんど人はいない。
 街灯や、家々の窓から漏れる明かりがぼんやりと、ウィルの足元を照らす。
 
 ハリソン警部はどうしてるだろう。

 メレディスは元気かな。
 火事で亡くなった人たちの遺族は当然、警察を、俺たちを、俺を、恨んでいるんだろうか。

 俺は、なにやってんだろう。不審者殺して、仕事止められて、画家の長話し聞いて。なにやってんだろうな。

 母さん。

 俺は、あの事件の犯人をつきとめたくて警察になったのに。
 的外れだったかな。

 関係ないことばっかり起こって、なんか疲れたよ。
 街灯の下にあるベンチに誰かが座っていた。
(誰だろう。こんな時間に。) 
 近づくと見えてくるその人物。肌が白く、鼻がすっと通っているきれいな女性だった。
「どうしました?こんな時間に。」
女は座った姿勢のまま、動かない。
「ごめんなさい。今は、動けないんです。」
そう。
「怪我でもしてるんですか?病院に行きます?」
「ダメです。今私に触れたら、倒れてしまいます。」「は?」
「お腹が減って、死にそうなんです。」
フィオナだ。

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