奈央と出会えたから。<252>
* * * * * *
聖人のバースディプレゼントは――
あたし、聖人の絵をたくさん描いたんだよね。
『聖人あのね。あたし、色んな聖人を描いたよ。はいこれ。プレゼント。』
春休みに入ってから、
ずっと描いてたんだ。
色んな聖人。
『奈央の絵?!俺を描いてくれたんだ?!』
聖人は、少し照れた様な表情で、
あたしの手から、スケッチブックを受け取った。
『スケッチブックのままでプレゼントしたかったの。』
プレゼントとして渡すには、どうかと思ったケド、
額などには入れず、スケッチブックのまま、
あたしは聖人に絵を手渡した。
聖人は、あたしの手からスケッチブックを受け取ると、
早速、中を開いた。
『‥‥俺がいっぱいいる‥‥‥。』
1ページ‥‥2ページ‥‥‥3ページ‥‥‥‥。』
聖人がスケッチブックをめくっていく。
『ど‥‥どうかな‥‥‥。』
真剣な表情で、1ページずつゆっくりスケッチブックをめくっていく。
『すげぇ‥‥‥。』
聖人は一言そう呟くと、
更にページを進めていく。
『あはっ。色んな表情の聖人を描いてみたんだ。』
いつものクールな聖人。
笑っている聖人。
怒っている聖人。
悲しいトキの聖人。
このスケッチブックの中には、
色んな表情の聖人かいる――
『何か‥‥恥ずかしいな。俺、いつのまにお前に、こんなに見られてたの?!』
そして、
あたしの目の前には笑っている聖人がいる――
『好きなヒトの色んな表情を知っておきたいから‥‥。』
自分で言った言葉なのに、
何故か顔が熱くなる。
『お前の絵。俺、すげぇいいと思う。
将来は、そっちの道へ進まねぇの?!』
スケッチブックを見ていた真剣な眼差しが、
あたしの方へ向けられる。
『うん。一応小さい頃からの夢はあるよ。』
『何だったの?!』
『絵本作家。』
それは、
初めて聖人に自分の夢のコトを話した瞬間だった。
聖人のバースディプレゼントは――
あたし、聖人の絵をたくさん描いたんだよね。
『聖人あのね。あたし、色んな聖人を描いたよ。はいこれ。プレゼント。』
春休みに入ってから、
ずっと描いてたんだ。
色んな聖人。
『奈央の絵?!俺を描いてくれたんだ?!』
聖人は、少し照れた様な表情で、
あたしの手から、スケッチブックを受け取った。
『スケッチブックのままでプレゼントしたかったの。』
プレゼントとして渡すには、どうかと思ったケド、
額などには入れず、スケッチブックのまま、
あたしは聖人に絵を手渡した。
聖人は、あたしの手からスケッチブックを受け取ると、
早速、中を開いた。
『‥‥俺がいっぱいいる‥‥‥。』
1ページ‥‥2ページ‥‥‥3ページ‥‥‥‥。』
聖人がスケッチブックをめくっていく。
『ど‥‥どうかな‥‥‥。』
真剣な表情で、1ページずつゆっくりスケッチブックをめくっていく。
『すげぇ‥‥‥。』
聖人は一言そう呟くと、
更にページを進めていく。
『あはっ。色んな表情の聖人を描いてみたんだ。』
いつものクールな聖人。
笑っている聖人。
怒っている聖人。
悲しいトキの聖人。
このスケッチブックの中には、
色んな表情の聖人かいる――
『何か‥‥恥ずかしいな。俺、いつのまにお前に、こんなに見られてたの?!』
そして、
あたしの目の前には笑っている聖人がいる――
『好きなヒトの色んな表情を知っておきたいから‥‥。』
自分で言った言葉なのに、
何故か顔が熱くなる。
『お前の絵。俺、すげぇいいと思う。
将来は、そっちの道へ進まねぇの?!』
スケッチブックを見ていた真剣な眼差しが、
あたしの方へ向けられる。
『うん。一応小さい頃からの夢はあるよ。』
『何だったの?!』
『絵本作家。』
それは、
初めて聖人に自分の夢のコトを話した瞬間だった。
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