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ハーフムーン ?

[1270]  2008-10-24投稿
ミユキが目を覚ますと、そこはベッドの上だった。どうやらそこはホテルの一室らしかった。

自分以外は、部屋に誰もいない。しかし、さっきまで他の誰かが部屋に居たような雰囲気が、あちこちに感じられた。

窓のレースのカーテン越しには、優しい朝の光がこぼれている。

ミユキは昨夜、男の店で眠くなり、会話の途中で記憶が途絶えてしまった事を思い出した。そして身に付けている服や、持ち物をあらためて見渡した。

ミユキの短いスカートは、布団の中で多少めくれ上がっていたが、特に変わったところは無かった。

風呂場に行ってみると、シャワーが使われていた形跡があった。また、洗面所には使った後のシェービングクリームが立て掛けられていた。

ミユキはしばらくベッドの上で考え込み、ふと横のナイトテーブルに目をやると、ホテルの領収書が見えた。

誰かがすでに、精算を済ませてある。ミユキは急いでホテルのフロントへと向かった。


フロントの受付には、一人の背の高い男がいた。

ミユキはフロントの男に話し掛ける。
「チェックアウトは誰が済ませたのですか?」

男は少し真剣な目でミユキを見つめた後、満面の笑みを浮かべてこう言った。

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