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ノイズ‐NOISE‐第三章?

[322]  紀夜  2008-10-26投稿
「記憶喪失とでも?」
半分笑いながらウィルは問う。
「いや、そんなんじゃないんですけど、それを思い出そうとするとぼんやりしてて、出てこないっていうか・・・」
首を傾げながらウィルから目をそらすフィオナ。
「なのに、旅を続けるんだ?」 
「はい。なんか、しないといけない気がして。使命って感じなんです。この旅は。」
「へえ。」
ウィルはそっけない返事を返すと一口パンをかじった。
「ウィルさんは、いつも、何してるんですか?仕事とか・・・」
危うく、パンの塊を喉につまらせるところだった。
「っ・・・・」
なんとか胸を拳で叩き、パンを飲み切る。
「・・・・・警察だよ。」大きなため息とともに、その言葉は吐かれた。
 フィオナはぽかーんとしている。
「え、警察って、放火魔を逃がした、あの?」
「しかも、逃がした上に、火事の中ちゃっかり一人だけ救出された張本人。」
また、ため息。
「え・・・。あ、さっき、あたし・・・あ、すいません!」
まさかウィルを警察と思っていなかったフィオナはさっきの言動に頭を下げた。「いや・・・いいんだよ。耳が痛かったけど。」
「すみません。」
気まずい空気が走る。

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