時と空の唄9-2
「町長に事情を話して協力を仰いだらどう?」
リリーラが言った。
「事情…ねぇ」
話せば長いし、何より大事になってしまう。
「深い事情なのか?」
「うむ。深いといえば海より深い。」
「ラウフ、ふざけるな」
とは言っても事実、深い事情なのだ。
「明日、会いにいってみる?今日はまだ話が纏まらないでしょう?」
リリーラの配慮で四人は翌日、町長の所に行くことにした。
「正直に全部話すことはないよな…」
「そうね。適当な嘘が通じればいいんだけど。」
「各地の伝説を本に纏める旅をしている、とか?」
「三種の神器という言葉を残して失踪した父を探している、とか?」
ラウフが言った後、その場が白けた。
「………………。」
「あれ?俺なんか変なこと言った?」
ガシッ。
ランスがラウフの手を掴んだ。
「…は?」
「ナイスだラウフ!!」
「たまには役にたちますね〜」
「な、雪!たまに、とはなんだ!」
「あ、口が滑っちゃった。」「ダメよ、雪ちゃん。
彼、心は少年なんだから。グレちゃうわ。」
口々に勝手なことを言う。「グレてやるぅ〜!」
「どうぞ、ご勝手に。」
「酷いぞ兄弟〜!」
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