その時彼女が言った事
俺の部屋の窓を、雨粒が叩く音がする。
…あの日も、やけにひどい雨だった。
江ノ島から横浜へ帰る途中、鎌倉八幡宮から朝比奈へ抜ける、通称、朝比奈峠を愛車のM3は、軽快なリズムを刻みながら、苦もなく登って行く。
(悪くない…)と、右手でサードにギアを落とし、ステアリングを切りアクセルを踏む。
その時、
「女〜!?」
真夜中、ドシャ降り、鎌倉霊園…。
条件が悪すぎだ!
ハンドルを切り損ねた車は、クルリと、キッチリ一回転半の大技を決め、
「ガン!」と言う音と、軽い衝撃を残して止まった。
「マ〜ジ〜でー!勘弁してくれよ!!」
オレはステアリングを叩いた後、通り過ぎて来たはずの女を探した。
…いなかった。10月にもなろうかと言う時期に、しかも一人の時に…。
「幽霊話ししても、言い訳みたいになるよな…」
ひとりごちて、止まってしまったエンジンを掛けた。
ふと気になって、助手席の窓に目をやると…!
リングの貞子よろしく(まだ当時は物語もないが)、びしょ濡れの黒髪を垂らし、片手を前方に伸ばした、淡色のワンピースの女がいた!
「○×△□!!!!」
マンガの吹き出しぐらいしか知らない、声にならない悲鳴を上げて、固まる俺。
2へ続く。
…あの日も、やけにひどい雨だった。
江ノ島から横浜へ帰る途中、鎌倉八幡宮から朝比奈へ抜ける、通称、朝比奈峠を愛車のM3は、軽快なリズムを刻みながら、苦もなく登って行く。
(悪くない…)と、右手でサードにギアを落とし、ステアリングを切りアクセルを踏む。
その時、
「女〜!?」
真夜中、ドシャ降り、鎌倉霊園…。
条件が悪すぎだ!
ハンドルを切り損ねた車は、クルリと、キッチリ一回転半の大技を決め、
「ガン!」と言う音と、軽い衝撃を残して止まった。
「マ〜ジ〜でー!勘弁してくれよ!!」
オレはステアリングを叩いた後、通り過ぎて来たはずの女を探した。
…いなかった。10月にもなろうかと言う時期に、しかも一人の時に…。
「幽霊話ししても、言い訳みたいになるよな…」
ひとりごちて、止まってしまったエンジンを掛けた。
ふと気になって、助手席の窓に目をやると…!
リングの貞子よろしく(まだ当時は物語もないが)、びしょ濡れの黒髪を垂らし、片手を前方に伸ばした、淡色のワンピースの女がいた!
「○×△□!!!!」
マンガの吹き出しぐらいしか知らない、声にならない悲鳴を上げて、固まる俺。
2へ続く。
感想
感想はありません。