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ありふれた恋の歌 ?1?

[212]  空緒 夕妃  2008-10-28投稿

ねぇ、あの日きみがくれた青空は、今でも輝いていますか?





ガラガラガラッ

真夜中の病院中に、担架を転がす音がコダマする。

そして、
手術室に光が灯った。





――数時間前。

いつものように二人で歩いてた。



お金は無いケド、一緒に居るだけで幸せだった。

時々ケンカだってしたケド、いつだって気付いたら仲直りしていて、
その事に気付いた時、よく二人で笑いあった。



ただ、その日だけ。

「少し贅沢したいな。」なんて言って……。

きっと、幸せに貪欲になってしまったからイケなかったんだね。





無いお金を切り詰めて、奮発なんてしちゃって、
とても高級なお店に連れていって貰って、美味しいご飯も食べちゃって……。

きっと、ちょっと浮かれていたんだね。

横断歩道を渡っていると、刹那、意識が飛んだ。

直前に、彼が私を呼ぶ声が聞こえた。



微かにサイレンの音。



気付けば、激しい痛み。そして暗闇。





彼が私の名を泣き叫び、私の手を握った。

彼の流す涙が私の手に落ちて、痛い。

「ここどこ??」

彼は、鼻をすすりながら、
少し安堵したような柔らかな声で、
「見たら分かるでしょ?病院だよ。」



見たら?

私の目の前は一向に真っ暗闇のままだ。

「ねぇ。私の瞼が開かないみたいなんだけど。」

「えっ……。な…、何言ってんの??こっ、……こんな時にそんな冗談、趣味悪いよ??」

「わた…し、冗談なんか言って無いんだけど……。」

「嘘……。だって、目ェ開いてんじゃん!!」



私は気付いてしまった。

永遠に私に光は訪れる事は無いのだと。





「出てって!!!」

堪えきれなかった。

とにかく一人にしてほしかった。



今思うと、彼には酷い言葉を浴びせてしまったと思う。

でも、それでも私は現実を受け入れる事が出来なかった……。




それから私は、三日三晩泣きわめき続けた。



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