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ありふれた恋の歌 ?2?

[207]  空緒 夕妃  2008-10-28投稿

四日目、彼がまた私の病室にやってきた。

「……落ち着いた?」

「ねぇ。今日の空ってどんな色してる??」

私は唐突に聞いた。

彼が何を悟ったかは知らないが、
私の手を握っている手を震わせて、
涙を一粒こぼした。

そして、彼はいとおしそうに話し始めた。



“今日はよく晴れていてさ、いつか海に行った時のような空だよ。
真っ青で、まるで絵に書いたような……。
太陽がさ、これでもかっていうくらいに光輝いてさ。
……み、見せてあげられないのが、もどかしいよっ……!!”



ねぇ、泣かないで。

貴方は悪くないよ。

顔は見えないけど、
きっとあなたの事だから、
鼻を真っ赤にして泣いているんでしょう??

みっともないって笑われちゃうよ。

目なんか見えなくったって、
貴方が居るだけで幸せだよ。。

貴方の笑顔が見れないのは、少し寂しいけど、
貴方が幸せなら、それでいい。

貴方と出逢えて、
貴方に愛される事が出来た私は、
きっと世界一の幸せ者です。

今までも、今も、これからもずっと愛してる。

ありふれた恋の歌のように、
愛し愛されて……。

でもね、ずっと愛され続ける事は無理だから。

私に、
ずっと貴方の重石になってまで生き続ける勇気なんて無いから。

だからね、ここら辺でサヨナラしようよ。

ありふれた恋の歌もね、ハッピーエンドとは、限らないんだよ。

愛をくれた貴方に、
今まで“ありがとう”。。





私はそうメッセージを遺して、
屋上から、空へ羽ばたいた。





貴方は、私が居なくなって、少しは泣いてくれたカナ??

私が居ると、きっと貴方は私に縛り付けられてしまうから。

あんなに優しい貴方を死ぬまで束縛するなんて、私には出来ないよ。

どうか幸せになってね??

新しい恋を見つけて、私の事なんて忘れて、普通に生きて??

でもね、一年に一度。命日の日だけ、私に祈って。。



ごめんね。

ありがとう。

さようなら。





〜ありふれた恋の歌〜
?Fin?

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