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航宙機動部隊前史後編・20

[551]  まっかつ  2008-10-29投稿
だが、銀河連合中枢は一つだけ見逃していた。
ガニバサが一番頼りにしていた存在―それは、旧ギャームリーグ元軍人達―つまり、かつての敵手だったのだ。
考えてみたら、ネオフリート時代より、ガニバサが敵方の人材の登用に熱心だったのは周知の事実であった。
銀河連合は完全に見落としていたのだ―一度使った策をもう一度使わないと言う保証がどこにある?

前々から密かに、ガニバサは旧ギャームリーグ軍幹部と連絡を取り合い、アイアン=トライアングルを内外から掌握する作戦を練っていたと推測されている。
その決定的な証拠が、僅か二八時間で、彼が同要塞群を手に入れたと言う、動かし難い事実であった。
合計二万隻・三00万人を数える銀河連合監視部隊は、さっさと無力化されて、手も足も出なかった。
それ所か、その内の六割までもが、新たな支配者に帰順を誓う有様であった。
ガニバサには、やはりそれだけの魅力と指導力が有ったのだ。

アイアン=トライアングルを征した彼は、早速銀河連合に異議申し立てをし、同時に、全銀河に激を飛ばした。
『本来ならば、全ての人類に平和と繁栄を約束すべき新体制が、先の大戦で行われた愚行・蛮行の最も酷い部分を踏襲している。これはどうした事か?
今や我々人類の一割に及ぶ元軍人達が職を失い、保証も救済も得られず、良くても貧窮にあえぎ、悪ければ討伐の名のもとに容赦無く迫害・処刑されているのである―\r
私ことガニバサはこの状況を憂い、元軍人に対する理不尽な扱いに憤り、更には今だ有効な対策を打ち出さない銀河連合の無能無策振りを建て直すべく、武装改革の狼煙を挙げるものである。
現状に不満を感じ、志を同じゅうするあらゆる軍人・星民達は我が旗の元に馳せ参じよ!』
銀河元号一五四九年第四期六0日(修正太陽暦一一月三0日)・銀河連合体制への実質的な宣戦布告がこうしてなされた―\r

一度立ち上がると、ガニバサの動きは速かった。
それから二ヶ月足らずで、旧ギャームリーグ三宙邦本国領域を巧みな用兵で接収した。
慌てて銀河連合は一0万隻の大軍を出して、アイアン=トライアングルを攻めさせたが、たった五000隻を率いたガニバサの、まさかの奇襲攻撃の前にあっけなく敗れ去っている。
兵力が少ないから、難攻不落の要塞群に立て籠るだろうとタカをくくっていたのだ。

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