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君への距離 1

[399]  レア  2008-10-31投稿
大学時代の友達Rはイケメンで、当時から相当モテていた。酷い時には毎日連れている女が違った。
大学を卒業し、就職してもRの女癖は悪かった。でもある時からRは変った。ある女性に出会ってからRは、今までが嘘の様にその女性に一途になった。

今年の春、Rと遊んだ時にその女性を紹介された。今までRから散々惚気話しを聞かされていたが、会うのは初めてだった。

「初めましてAです」

そう言った彼女は、清楚な感じで可愛いらしくとても優しい笑顔だった。何だかRが変った訳が分った気がした。

ある時Rと二人で飲んだ時に真剣な顔でRが私に言った。
「Aと結婚したい」

今でもその時のRの言葉が頭から離れない。


それから間も無くだった。
Rが泣きながら私に電話を掛けて来た。

「Aが死んだ…」

私は掛ける言葉も泣く、ただ受話器越しに聞えるRの泣き声を聞いた。

不慮の事故だった。
Aの運転する車に信号無視のトラックが突込んで、Aの車は大破。即死だったそうだ。

それからと言う物、Rは人が変ってしまった。仕事も辞め、アパートに籠り、連絡も取れなくなった。たまにアパートから出て来たと思えば、スナッックで浴びる程酒を飲み大暴れ。警察のお世話になる事も度々だった。

そんなRを、私達友達もRのご両親も何とか出来ない物かと心配した。Aの死と言うショックから早く立ち直らせ、Rをここから救ってやりたい。

でもその頃には手遅れだった。RはAの居ない現実から逃げる為か、薬に手を出していた。

ある日Rのご両親から電話が来た。Rのアパートの大家から今すぐ来て欲しいと連絡が来た。アパートに着くまで30分掛るから、アパートに近い私に先に様子を見に行って欲しいとの事。

私は何事かとよからぬ想像を膨らませながら、慌てて夜道を自転車で走った。

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