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特別ではない主婦(36)

[258]  紀々  2008-11-03投稿
「焦ってないよっ」
そう私が返事するか、しないかで、彼の唇が私の唇に触れた。

もう、目を開いたままだったり、息するのを忘れるような私はいない。
驚きはあったけれど、すんなり私は彼のキスを受け入れた。

熱くて強いキス

忘れていた、痺れるような感覚が、蘇ってくる。

ペロりと私の下唇を舐めて(コレ、クセですな、彼の・・・)彼の唇は離れていった。
その後、コチッと彼のオデコが私のオデコにくっ付いた。
ニヤりと笑った彼に、
「で、何のつもりのキスですか、今の」と、私は言った。

「それ、今聞くの!?」
彼のオデコが離れる。
困った感じで、彼が言った。
聞くよ!聞くに決まってんじゃん。そう言わんばかりに、私はゴチンと彼のオデコに自分のオデコをくっ付けた。

「痛っ・・・」

「私、今フリー。そちらは?」
「おかげさまで」
「おかげさまで!?」

しばし沈黙。
「フリーです(笑)」

「じゃ、今の沈黙は、何故に?」
「だって、もう、彼女いないって言うの躊躇われる年齢なんだもん、俺」

私、噴いた。ウケた。
「別にフリーでも、じゃなくても!(笑)成り行きでしょ(笑)」

私の精一杯の見栄。どちらかというと、遊べるタイプじゃない。
だけど、私はそう言って余裕に笑ってみせた。

「どうでも良いなら聞かなきゃいいのに(笑)」

ま、そりゃそうだ(笑)
私は「そだね(笑)」って笑うしかなかった。

二人で猛ダッシュした道を、昔のように手をつなぎながら、戻った。

でも、昔とは違う空気。不思議な親密感が心地良くて。
少しニヤニヤしながら、二人でバイト先へ向かった。
案の定私は皆にウケてもらえて(笑)。
何となくの冷やかしも受けたりして。

何の後ろめたさもなく、そこに居られた事で。
スッとこれまでのモヤモヤが落ちたような爽快感さえ感じられた。

そしてそれをきっかけに私はまた彼と一緒に過ごす事が多くなった。

お互いが、お互いをよく知る前に?別れたのと、そこからお互いが、かなり変化を遂げていたのが 良かったんだと思う。
最初はやっぱり違和感のようなモノがあったんだけど、『そりゃぁ、ブランク?ありますから』的な感じで(笑)あんまり問題なく。

案外うまく事は流れて行った。

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