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幸運の女神

[733]  朝倉令  2006-06-16投稿


  時代背景:20世紀末


 地上に降臨した、最後の 女神の物語……


 (第一部、全十五話)








「ねェ、今晩泊めてくんない?
終電終わっちゃったしさァ、こっからだとあたし家遠いじゃ〜ん」


「なーに言ってんだバカ。 俺んちだって近いわけねーだろ、車で来てるんだから。
それとも何? 俺に襲われてもいいってのか?」



俺は、アマチュアバンドのジョイントライブで知り合った…というかナンパしたエリカと言う女に、一夜の宿を請われたところだ。



こんな事には慣れっこなのか、もともと深く考え込まないタチなのか…


エリカは「別にィ〜」ってな感じで、俺の問いを否定しなかった。



「たださァ、……」


「ただ、何だって?
ウチはベッド一つしか無ェぞ」


「Hが下手だったら嫌。
 超ウザイし〜」


「お前なぁ… 公園のベンチで寝てろ!アホ!」







  自宅にて




「んふふふ〜っ♪」



「……なに気色わりィ声で笑ってんだよ」


「だってェ、すっごく気持ち良かったんだもん。
…そう言えばさァ、あんた名前何ってったっけ?」


「おめーわっ! 最初に教えただろ? …諒司だよ」




これが俺、倉沢諒司と品川恵利花との出会いであった。



後に、彼女が〈疫病神〉である事が偶然の再会で判明するわけだ…







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