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新・桃太郎

[705]  まきび  2008-11-04投稿
犬、猿、雉。彼等は、動物の名を持つ人間だ。
名付けたのは、桃太郎という青年。桃太郎は、それぞれ大罪を犯し牢獄に監禁されていた三人を、鬼ケ島への“鬼退治”への同行を条件に逃がしたのだ。

三人は、それぞれが一流以上の武の持ち主で、その武技を持って各地で殺人鬼、大泥棒、放火魔として恐れられていた。大人が20人でやっと取り押さえられる程だ。
そんな三人が、20歳そこそこの青年に、大人しくついていくはずがない。機を見計らって桃太郎を殺し、追っ手の目の届か無い所まで逃げるつもりだった。

だが、今三人は、ただ目の前の光景に震えるほかなかった。自分達が殺すはずの桃太郎は、ここまで一瞬の隙を見せること無く、遂に鬼ケ島まで来てしまった。
そして、人間の身長の三倍以上の巨大な怪物の群れ…恐ろしいのは怪物ではない。その怪物の群れに単身切り込み、次々に死骸の山を築いていく桃太郎である。
桃太郎は、まるで殺戮を楽しむかの如く、鬼ケ島を血で染めて行った…

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