奈央と出会えたから。<266>
それをイイコトに、青山さんの言葉は、ますますエスカレートしていった。
『あんたさぁ、マジで相手されてると思ってんの?!ばかじゃね?!
あんたみたいなダサイ女、北岡先輩がマジで相手してるようなら笑えるわ。
所詮は遊びよね。
ア・ソ・ビ。
北岡先輩には、あんたじゃ釣り合わねぇんだよっっ。
とっとと消えなっっバーカ。
少しは身の程を知れよ?!
鏡見たコトあんのかよ?!
てめぇ見てっと、うぜぇーんだよ。
吐き気がするわ。
忠告しといてやる。
北岡先輩から手を引け。
さもないと、これから痛い目に合うよ、あんた。
分かったら家帰って、ママにでも慰めてもらいな!!』
青山さんは、あたしにそう捨てゼリフを残し、その場から立ち去った。
『ひど‥‥‥い‥‥‥‥‥。』
悔しくて――
涙が止まらなかった――
悔しい‥‥悔しいよ‥‥‥。
青山さんに言われた言葉よりも‥‥‥
聖人が‥‥女のコと抱き合っているのを見てしまったコトが、
あたしはショックだったんだ――
確かに――
最近、あたしはユカと仲直りするコトが出来て、浮かれ過ぎていたかも知れない。
でも――
聖人は‥‥聖人は、それを優しく見守っていてくれたじゃん。
ユカと、また元通りに仲良くなれたコトを、
一緒に喜んでくれたじゃん――
“よかったな”って――
なのに、
なのに――
その間、
聖人は、あたし以外の他の女のコと会っていたんだ――
そう言うコトだったんだね――
あたしって、相当オメデタイ頭してるよね――
バカみたい――
相当バカだよ‥‥あたし‥‥‥。
その日は、家に帰る足取りが、やけに重くて――
お母さん‥‥‥
もう‥帰ってるかな――
真っ赤になった目と、
腫れた瞼が元に戻るまで――
あたしは、
公園で時間を潰すコトにしたんだ――
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