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初めての恋…16

[417]  ひろ  2006-06-17投稿
パク、パクン。

さっきから無言で二人ともアイス食べてる…

なんて言えばいいかな?この様子だと聞いたみたい…彼氏の事。

「白井…?」

「あ、はいっ」

「それ食ったら熱上がる前に寝た方がいいよな…」

…え?報告とかなし?何?アイスを食べさせにわざわざ…?

違う…か。
彼氏がいてもいなくても佐藤は言いにくいよね。
私の気持ち考えてくれてるんだ。

きっと、彼氏はいないんだね。
いたら、佐藤こんな冷静じゃないと思う。

「あ、ありがと。」

「へ?」何が?って顔してる…。

「愛さん、彼氏いなかったんでしょ?
私の事、考えて言わないとか…
あは、勝手な想像だけど。」
…自意識過剰っぽくて照れる。

「…いたよ。」

私は自分の耳を疑う。「えぇ?嘘…
なんで、佐藤はそんなに冷静なの?」

「振られるの前提で告白したんだもん、分かってたから…」

「でもっ!!好きって言った、愛さん。どうして、彼氏がいるのに…」
あぁ、イライラする。一番私が悔しくて、興奮してる。

佐藤を愛さんに渡したくない!!
でも、佐藤を傷つけて欲しくもなかったのに!!
「彼氏と上手くいってないんだって…
で、俺の事も好きだからって…
キープだな。」
佐藤はため息をつく…
どうして…?
何?キープって。
私は佐藤が好きなのに…
一番好きな人がいればいいじゃん。
どんな理由があるかわからないケド、私は?
私の気持ち…
佐藤の事がこんなに好きなのにっ。
一番大好きな人が振り向いてくれない私。

「い…や、こんな諦め方嫌。わ、私。
こんなに佐藤の事好きで…」

止まらない涙も言葉も…
「佐藤が私の事なんとも思ってないのわかってるケド…悔しい。
傷ついて欲しくない。愛さんに渡したくない。」

「白井…。」

「私じゃダメ…?」

勝手だ、私。
さっきまで、愛さんに彼氏がいて、佐藤とは付き合ってほしくないって思ってたのに…
こんなんじゃ、好かれる所か、嫌われる。

「白井…」

佐藤が私を強く抱き締める。
「さと…う?」

佐藤の顔が近寄ってくる…

「あっ」
私は目を閉じた。
触れ合う唇。
何度も何度もキスをした。
その度に胸の中で音がする。

好き…佐藤。

もう、あなたしか見えないの。

苦しい気持ち…

だけど、

私、佐藤とひとつになりたい…

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