ロストクロニクル3―11
「すいませーん、コーディアさんはどこですかー?」
パールは職員室の扉を勢いよく開けた。
いちばん大きな机に座っていたミュークが驚いた顔を見せた。
「コーディアさーん!」
「はいはい。分かってる、分かってる。話は聞いてるから」
奥からコーディアが姿を見せた。
「こっちに来なさい」
コーディアは廊下を歩き出した。小太りだが、早足だ。
パールも後を追う。
「あれ?あなたひとり?」
初対面の時とは全く印象の違う喋り方だ。
「はい!」
パールは喜びを隠しきれず、それが顔にも態度にも喋り方にも表れている。
「あっそう。どこにいるの?」
階段を上る。
「さぁ、はぐれちゃいました」
満面の笑みだ。
「呪いを解くことは簡単よ。ちょっと苦い薬を飲むだけだから」
「えっ、そうなんですか!」
コーディアは廊下の真ん中で突然立ち止まった。「ちょっと待ってて。薬を取ってくるから」
「はいっ!」
「パール大丈夫かな」
タクトたちは一番星の光る夜空の下で校門の前で待っていた。 学校の奥にある高い塔が不気味にそびえ立っている。 「大丈夫に決まってるだろ。すぐにコロッとした顔で帰って来るさ」
辺りが静かになった。 「うわー!」
「助けてくれー!」
「あっち行けー」
学校の職員室のある二階から水や氷が窓を割り、壁を壊す。
「なんだ!」
一瞬の出来事だった。あちこちの闇の中からムシが飛び出し、家々から次々と火の手があがる。
「どうなってるんだ!」
「タクト!とにかく学校に入るぞ」
「駄目だ!」
タクトの目線の先には校門の中にびっしりと敷き詰められたムシの大群があった。
「大丈夫ですかー」
学校の方に走ってくる人影が目の前で止まった。
「わたし、です。はぁはぁ、シャープです。はぁ」
ああ、パールが止めた子だ。
「どうしたんだい?」
「フラットは、どこ、ですか?」
フラット?
「ほら、あの、赤い。はぁはぁ。探してるんです。嫌な、予感がして」
「さぁ、見てないなぁ」
「危ない!」
氷が頬をかすめる。
「多分、あの塔にいると思います」
「なぜだ?」
「・・・炎の魔導石があるからです。とにかく、わたしは塔へ行きます!」
シャープは一人、塔へ走って行った。
パールは職員室の扉を勢いよく開けた。
いちばん大きな机に座っていたミュークが驚いた顔を見せた。
「コーディアさーん!」
「はいはい。分かってる、分かってる。話は聞いてるから」
奥からコーディアが姿を見せた。
「こっちに来なさい」
コーディアは廊下を歩き出した。小太りだが、早足だ。
パールも後を追う。
「あれ?あなたひとり?」
初対面の時とは全く印象の違う喋り方だ。
「はい!」
パールは喜びを隠しきれず、それが顔にも態度にも喋り方にも表れている。
「あっそう。どこにいるの?」
階段を上る。
「さぁ、はぐれちゃいました」
満面の笑みだ。
「呪いを解くことは簡単よ。ちょっと苦い薬を飲むだけだから」
「えっ、そうなんですか!」
コーディアは廊下の真ん中で突然立ち止まった。「ちょっと待ってて。薬を取ってくるから」
「はいっ!」
「パール大丈夫かな」
タクトたちは一番星の光る夜空の下で校門の前で待っていた。 学校の奥にある高い塔が不気味にそびえ立っている。 「大丈夫に決まってるだろ。すぐにコロッとした顔で帰って来るさ」
辺りが静かになった。 「うわー!」
「助けてくれー!」
「あっち行けー」
学校の職員室のある二階から水や氷が窓を割り、壁を壊す。
「なんだ!」
一瞬の出来事だった。あちこちの闇の中からムシが飛び出し、家々から次々と火の手があがる。
「どうなってるんだ!」
「タクト!とにかく学校に入るぞ」
「駄目だ!」
タクトの目線の先には校門の中にびっしりと敷き詰められたムシの大群があった。
「大丈夫ですかー」
学校の方に走ってくる人影が目の前で止まった。
「わたし、です。はぁはぁ、シャープです。はぁ」
ああ、パールが止めた子だ。
「どうしたんだい?」
「フラットは、どこ、ですか?」
フラット?
「ほら、あの、赤い。はぁはぁ。探してるんです。嫌な、予感がして」
「さぁ、見てないなぁ」
「危ない!」
氷が頬をかすめる。
「多分、あの塔にいると思います」
「なぜだ?」
「・・・炎の魔導石があるからです。とにかく、わたしは塔へ行きます!」
シャープは一人、塔へ走って行った。
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