時と空の唄9-9
「儀式の場?」
「【三種の神器】を使う為の祠よ。」
そう言ってミシャルは、今度は中身のある本を見せた。
「この祠がどこにあるかは知らないわ。
でも、ここは未知の力で満たされた未知の空間。」
開かれた本には懐中時計で見たのと同じ洞窟の絵が描かれている。
「この洞窟…!」
「ええ。そうよ。」
「そう言えば、奥の水溜まりに神器があったんだ。
しかも剣だったかと思えば盾になった。
…あれはなんだ?」
「あなたたちの予想どおり【三種の神器】には幾つかの能力があるわ。
…能力は三つ。
封印、呪いの解除、そして強大な力。」
暫くの沈黙。
「父の目的はこれね。」
シーラが冷静に言った。
「力……ですか。」
「ええ。」
「あなたたちが見たのはその三つの能力を発動するための配置よ。
上に宝玉、右に盾、左に剣を配置した封印。
盾、剣、宝玉に配置した呪いの解除。
剣、宝玉、盾に配置した強大な力。」
ここでラウフに一つの疑問が沸く。
「聞いてもいいか?」
浮かび上がるある一つの疑問……
「この【三種の神器】ってのは何を目的に作られた宝具なんだ?」
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