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エレガント12

[190]  海城なな  2008-11-09投稿
夏子が帰宅した時には母は就寝していた。 

テーブルにはラップされたカツ丼とあさりの味噌汁と紙が置かれてる。

〈体調が悪いので先に寝ます。ご飯あたためて食べてね…ごめんね。〉

と書かれていた。


無音のなかひとり寂しくご飯を食べる事は慣れているがやはり寂しい。 

智明に愛する女性がいる事を知ってから心に穴があいたような夏子はそんな気持ちだった。 


いずれはこんな事もくるだろうとわかってはいたが…

本当に自分は孤独だと痛いほど身に染みた。 


父親は四年前に他界し兄弟はみな結婚し孫も生まれたという。 

昔は正月になれば親族たちが集まって一緒に酒を飲んだりして新年を過ごしたのだが父が亡くなってからは親族とのつきあいもなくなった。 



いずれは本当の孤独がくるのだろう…。 

この後はどう過ごしていけばいいのか……………… 

もちろん自分の事ばかりを心配してるわけでもない。 
夏子は寝室で就寝してる母を覗いた。


母はぐっすりと寝ていた。 

わたしがこんなばかりに母にまで淋しい思いをさせて申し訳ない……………… 
夏子は心のなかで母に詫びた。 


母も歳だし最近はよく風邪で調子が悪い。 


(もうそう長くはないな…)

その前に母に恩返しをしたいと夏子は思った。

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