最低な気持ち?
今更
何を言われても…
気持ちは無い
「──……蓮華より私は…椿を選んだ。菫さんが妊娠しててもして無くても…私は椿と…」
「鞠花ちゃん…あなた…彼氏が好きなんじゃない?」
「えっ…?」
菫の言葉に、鞠花が驚き動揺する。
「…だって…蓮華を愛してるなら、蓮華と両思いが分かったなら…蓮華を取るでしょ?でも…彼氏を取ったならあなたは彼氏の方を愛してるのよ…」
鞠花の矛盾な態度に、菫は違和感を感じる。
愛する〈蓮華〉より、彼氏である〈椿〉を取るのは、それ程、鞠花にとって椿は大切な存在。
その大切に思う気持ちは〈友愛〉より〈愛〉に近い。
「…つ…ばきは…だって…友達で…私が頼んで彼氏のフリを…それに椿はもう…長くない。…蓮華には菫さんがいるけど…椿には…私以外…いないから…」
「同情にしても…いきすぎ…かなって思う。彼氏を愛してないと…そこまでできないよ」
「……分か…らない」
蓮華をずっと愛してた…
ずっと…
ずっと…
でも菫さんと付き合い始めたのを知った時、崩れそうだった心を支えてくれたのは椿の存在で…
椿がいなくなる
それを考えるだけで
すごく怖い…
いつから…
私の中で
いつから椿は
大きな存在になった?
「椿と会ってから…私は…椿を愛し始めてた…?」
鞠花が呆然と思いを駆け巡らせ、今までの思い出を思い出す。
椿と出会ってから、蓮華を見ても辛くなかった。苦しくなくなった。
それはなんで…?
一度だけ蓮華と過ちを侵した時…
兄と妹に戻りたいと願ったのは…
蓮華の為じゃなくて…
私が戻りたかった…?
蓮華に抱かれても嬉しくなかった
幸せじゃなかった
あったのは罪悪感と後悔
椿を愛していたから
私は…
「鞠花ちゃん…?」
「──……そう…かもしれない。…私は…蓮華をもう…愛していない。…私は…私は…」
いつからか分からない…
でも
ようやく気付いた。
「私は椿を愛してる…」
ようやく気付いた。
私は蓮華では無く、椿を愛している。
でも椿が死ぬ間際に気付くなんて…
なんて私は…
愚かなんだろう…
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