時と空の唄9-11
クラスに戻るとそこには温かいベッドと食事が待っていた。
「うまぁ〜っ。
あー、こういう瞬間って生きてて良かったって思うよな〜」
「大袈裟すぎ。」
リリーラは困ったように笑った。
「それで、ミシャルさんに何て言われた?」
「ヘトラレスタの谷のレミスを訪ねるといいと言われました。」
一瞬、リリーラが目を見開くのをランスォールは見逃さなかった。
「へ、へぇ。
ヘトラレスタの谷…」
リリーラの笑顔がひきつっている。
「…なんか知ってるだろ。知り合いか?」
びくりと肩を振るわせるリリーラ。
この反応は予想外だった。「レミスは……。
レミスは人間じゃないの。だから、その…」
リリーラは言い辛そうに視線を泳がせる。
「忌み嫌われてる、か」
「うんちょっと違うかな。でも人に好かれてはいないの。
それにね、ガンコで意地っ張りで負けず嫌いらしくて愛想が悪いんだ…って。」こういうのを、嫌われてるというのではないだろうか。
頑固オヤジ、といえばそれまでなのだが。
「陰険だろうが性悪だろうが頑固だろうが手掛かりが目の前にあるんだ。
なら、行くしかない。」
ランスォールの言葉に三人は力強く頷いた。
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